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みかえる白書130

平成七年八月六日。

其の日は日曜日だった。
朝からよく晴れた、暑い日だった。

テレビには原爆ドームが映り、厳かに式典が始まっていた。

「黙祷」
ゴ~~~ン。

其の時。
けたたましく電話が鳴った。

「血圧が下がっています。急いで来て下さい」

直ぐに車を走らせ、T海大学病院に向かった。

真夏の日曜日。
当然、大渋滞。
普段は40分で到着するのに、一時間経っても半分過ぎた辺り。

……間に合わない。

病院に到着、エレベーターに駆け込む。
早足で病室に向かうと、ナースステーションの前で担当M医師に両手を広げて制止された。

「申し訳ありません」

其の一言で、父が、もう逝ってしまったのだと識った。

眠っているみたいに静かな表情だった。
少し微笑んでいた。
看護師の話では、眠るように穏やかに息を引き取ったのだそうだ。
苦しまずに旅立てたのが、せめてもの救いだ。

其れからどうやって帰宅したのか憶えてない。
ちゃんと運転して帰ったようだが、記憶は途切れ途切れだ。

はっきり意識が戻ったのは、夕方だった。

「ミケちゃん、御飯食べたの?」

叔母の呼び掛けに気づいた時、受話器を握っていた。
叔母の話によると、お寺に戒名を依頼したり、親戚に連絡したり、婦人会に喪服の手配をしたり、美容院に着付けの予約をしていたそうだが、全く記憶にない。

其の後も記憶は途切れ、憶えているのは其の夜の事。

「友引」で、通夜は翌晩になった。
久し振りに帰宅した父を真ん中に母と兄が川の字になり、みかえるは父の足を掴み、年長の姪がみかえるの背に張り付いて雑魚寝した。
こんなに幸せで哀しい雑魚寝は、もう二度と体験したくない。



十三年が過ぎた。

未だ納得していなかった。

「亡くす」のは「無くす」でも「失くす」でもない事は分かってる。
病んだ器の「生」に執着しているのでもない。
「親を亡くす」事を受け入れられるには、未だ未熟なのだろう。

兎も角。
十三年目に、「十三年目の命日」で終わる作品を出版出来た事は、一生の誇りだよ。




またじきに、今年も其の日がやってくる。


……観てるよね?みかえるパパ。

貴方の子にして頂いたから生まれた作品なんだ。

貴方が其方で誇れるように、ステキな「孫」に仕上げたからね。


Cosmos-Michael


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