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みかえる白書39

 よくシアワセに「なる」と言うが、「シアワセ」は「成る」モノではなくて「在る」事なのだと思う。

 獲得するのではなく、認める事。
 そう「在る」事でシアワセを識り、識ったあとはこだわりがなくなり、当たり前で自然で何でもない事に「成る」。
 其処までを指すのであれば、シアワセに「成る」でも構わないけど。

 ……こだわりが強過ぎるかな?

 何故こんな事をくどくど書くかというと、「シアワセ」の解釈を間違うと「何故私ばかり」の人生になってしまう縮図を此の処よく観てしまうからだ。

 ……例えば、「結婚」について。

 未婚女性の一部に「結婚」を、いや、「結婚式」をゴールと思っているヒトがいる。
 そして、たいていそう思っている矛盾に気付けない程、考えの基本の奥底に刷り込んでいたりする。

 彼女達にとって、「結婚」は「自分の花嫁姿」だ。

 試しに、結婚ウン十年の老夫婦を指差して、
「あれが結婚だよ」
 と告げてみた。
「ああなるのが、結婚だよ」
 と。
 其の途端、
「えぇ~~っ!やだぁ、そんなのぉ!」
 と返って来た。
 ……お気の毒に。
 「結婚」も「シアワセ」も、未だ未だ遠そうだね。

 思うに「結婚」とは、「思い通りにならない」ふたりが、互いの違いを認め、受け入れ、意見を擦り寄せながら「思い通りになる」ように、喧嘩したり、詰ったり、支えたり、甘えたり、頼ったりしながら、感謝にたどりつく道程を行く「覚悟」じゃないだろうか?

 ……確かにこだわりが強過ぎる。

 でも、「自らが選ぶ」覚悟は絶対必要だよ。
 「結婚して貰う」のではなく「結婚する」の!

 結婚式は飽くまでも通過点。
 綺麗な花嫁衣裳は自らへのご褒美、厳粛なお式は参列者への戒め、豪華な披露宴はご家族への労い。

 大事なのは前述のふたりでの学びだから、飽くまでも通過点。

 此れに気づいて受け入れる準備が調うと、女性はオソロシク綺麗になるのだよ、面白いくらい。

 シアワセは歩いて来ないの!
 自分がシアワセだって気づいて、そうある事なの!
 白馬に乗った王子様は自分の事しか考えてないから!

 ……と、此の処、多少うんざりしながら考えてしまう。

 私自身は今生の主な目的に「結婚」を選んでない。

 学びの過程で必要なら歓んでするだろうけど、敢えてする必要を感じない。

 だから余計、観ていると色々考えてしまうのかもしれない。

Cosmos-Michael

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みかえる白書38

 お花屋さんは生き物相手なので、頻繁に荷が入る。基本的に月水金は切り花、火木土は鉢物が入荷する。

 其の日は金曜日だったので切り花の日だった。

 翌日、市内の保育園の卒園式が一斉に行われる為、其れでなくても忙しい日なのに、店の中は戦場のようになっていた。

 相変わらず全くもって戦力外の私は、出来るだけ皆さんのお手伝いをしたいと思いながらもたいした役に立てず、歯痒くていたのだが、ほんの少しだけ覚えた作業を、
「前より早く出来るようになったねぇ」
 と褒めて頂いて、嬉し恥ずかし恐縮然り。

 主にさせて頂いているのはパソコンを使った作業で、花キューピットを手配したり、花束やアレンジメント用のカードを作ったり、花籠などに差し込む札を作ったりしていた。

 まぁ、原稿を書くのと大差ない作業なので、苦にはならない。

 寧ろ、役に立っている実感が、嬉しかったりする。
 母の日は想像以上に大変らしいので、こんな悠長な事を言っていられないかもしれないが。

 其の頃は、あとどれくらいお世話になるのかも、其の間にどれくらい覚えられるかも分からなかったが、ほんの少しでもお役に立って、今後の糧になればと願っていた。

Cosmos-Michael

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みかえる白書37

 働いてみて分かったのだけど、お花屋さんの仕事は「超肉体労働」。
 気力と体力は必須条件だ。

 でも、其処には最大の助っ人が居る。
 其れは、店いっぱいの花達が放つ「花気」。

 視覚や嗅覚だけでなく、ヒトの響きに共鳴して力を注いでくれる。
 其れも惜しみなく、献身的に。

 だから、花は様々な場面で必要とされるのだろう。

 働いてみて改めて確認したのは、人生の最初から最期まで、花は、あらゆる場面で使われる。

 出産祝いに始まり、毎年の誕生日、節句、入園、卒園、入学、卒業、様々なお祝い、様々なお見舞い、様々な御礼、様々なプレゼント、盆、正月、彼岸、結婚式。
列とそして葬儀、其れから法事。……何と、花は死んだ後まで係わってくれるわけだ。

 様々な種類の花が一年を通して用意される。

 季節を無視して用意するのは容易ではないだろう。

 本来なら、そうゆうのはキライなのだが(『唯眞仁』での「季節を無視した李」についてのあづみの発言を御参照下されば、お分かり頂けるか、と)、此れだけ色んな場面に使われる実態を知ってしまうと、季節を無視して咲かせる技術は必要悪なんだなぁ……と。
(みかえるの基本的な姿勢から観ると「悪」なので……)

 特に、お彼岸+卒業&卒園シーズン+団塊の世代の退職=体力勝負の頃は、此れでもかっ!と用意してもすっからかんになる程売れまくる。

 此の現状は、驚きを通り越して呆れる域に達している。

 スタッフは皆さん花気に育まれた美人ばかりで、毎日眺めてるだけでも愉しくて仕方ない。

 未だ何にも出来ない私は受け入れて頂けただけで有り難いのに、皆さん丁寧に指導してくれる。

 真実、感謝で嬉しくて、ますます愉しくて仕方なかった。

 しかし、リボンの作成には苦労した。
 やってる最中、何度もハサミで指切っちゃったし……

 でも、凹まない。
 花気にが支えてくれるから。

 ますます此の世のお役に立つように、花気の響きのように健全で献身的な自分で在りたいと願いつつ、美しい花束やアレンジメントに姿を変えた花達の残骸をキチンと大地に還す為、箒と塵取り引っつかみ、掃除に励むのだ。

Cosmos-Michael

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みかえる白書36

 相談の内容はヒトによって様々だ。

 恋愛問題、体調不良、子供の不登校……。

 太古は「喰えるか喰えないか」が最大の関心事であっただろうに、物資が豊かになると其れ以外に頭を悩ます時間が増える。

 大概物事をややこしくしているのは、仮令それがどんな問題にせよ「自分がより心地良く居る為に、如何に周りのヒトを思うようにさせるか」である事に変わりない。
 ……だから、其れが全ての争いの原因なんだってば!

 そうゆう方の口癖は、
「どうして私ばかりこんな目に遭うの?」
 とか、
「どうせ私なんて××だから……」
 とか、
「○○さんさえ××なら△△なのに……」
 とか。

 あと、悩みを抱えてスッキリした日々が送れない事に「罪悪感を持って」いる方も居た。

 人生は御伽噺じゃないから、めでたしめでたしが正解というわけじゃない。

 比較的穏かに送るヒト、波乱万丈のヒト、はじめチョロチョロ中パッパのヒト、様々だ。
 比べられるのは他人じゃなく、昨日の自分と明日の自分しかない。

「いいんだよ、間違ったって。上手く人生を乗り切るって事が第一目標ってわけじゃないんだよ?こうして身体が在る内に、身体が無けりゃ学べない事をやりに出て来てるんだから、失敗したり悔しがったり、嬉しがったり歓んだり、色んな経験すりゃいいんだよ」

 『唯眞仁』の中でのあづみの台詞だ。

 此の後、
「快も不快も身体が無けりゃ分からない」
 と続く。

 頭を抱える問題が起こる時は、成長のチャンスだ。

 乗り越えられない問題は、そう簡単にはやって来ない。

 生まれる前の青写真で(記憶が無くても)シュミレートしている筈だから。
 ……そう、全て自分で選んだ学びなのだから。

 産道を通ったお陰ですっかり記憶喪失になってしまったので、あたふたしてしまうだけなのだ。

 私自身、分かっていても、何か事が起こる度にあたふたしてしまうのだが……。

 現世が「楽で豊かで」過ごせれば、其れでいいというなら、生まれて来た意味がない。

 でも、精一杯愉しんで努力の結果得られた溢れんばかりの歓びなら有意義だ。

 此の身体を選んだのは事実だが、先ず、此の身体を得られた幸運に感謝すべき。

 そして、此の人生を乗り切った歓びは、還る時に受け入れて理解出来るだろうから。

 悩みがあって良かったね。
 厳しい試練におめでとう。
 でも、決して独りじゃない。

 支えて頂ける沢山の事・ヒト・魂に真心から感謝して、最後までキッチリ歩こうよ。

Cosmos-Michael

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みかえる白書35

 実は、
「身体とケンカしない」
 と決めた時、もひとつ決心した事がある。

 私の「生まれ持った性質」
 を受け入れ、
「ヒトの役に立つようなら歓んでお使い頂く」
 事。

 そう決心したら、憑依現象はなくなり、以前より鮮明にひとつ事を集中して観られるようになった。

 そして、私の性質が役に立つ状況にいるヒトと出逢い、必要なだけお伝えすると、実際に役立って友達の輪が広がっていった。

 『唯眞仁』の出版に手を貸してくれた友人達は、皆其の繋がりで出逢ったり、仲を深めたヒト達だ。

 皆、何等かのカタチで此の世の為に何かしてから還りたいと思うようになっていた。

 鮮明になったのは映像だけじゃない。
 質問の前に答えが用意されている事もあった。

 私自身、
「何故分かるのか?」
 不思議だった。

 あと、自分の口から出る言葉の意味を、相談者のヒトと一緒に解き明かされながら(私自身も「へぇ~っ!ほぉ~っ!」と驚きながら)聞く事もあった。

 伝言をお預かりする方によっては、私の顕在意識の中にはない言い回しをしたりなさるから。
 ……深い知識と配慮に震える思いもした。

 私が、
「ヒトのお役に立つなら此の性質を使いましょ」
 と決めた時、何より有難かったのが、国分太一さん、美輪明宏さん、江原啓之さんの《オーラの泉》。

 此の番組のお陰で、観えてしまう事や、其れを解き明かし伝える事で「気づいて生きる必要」に沢山のヒトが感心を持って下さった。

 そして何より助かったのは、「言わないでおくように仰る方」は「居る」とはっきり言って下さった事。
 ……「ケチ!」と気分を害される方が大分減りました。

 役立たせて頂く場面に出逢う度、相手の方の歩みに触れて学ばせて頂ける事に感謝した。

 一緒に問題に向かい合わせて頂くお陰で、
「観える分正直で、より謙虚で居なければ」
 と、何度も確認出来るから。

 極たまに労いの言葉を預かる時があるが、伝える前に私がボロボロ泣いてしまったりする事もある。……本当に、ヒトは独りじゃない。

 こんなに色んなものに見守られ支えられている事を識ったら、其れが観えたら、嘘も自殺も殺人も、詐欺も自分勝手もなくなるだろうに。

 ……本音と建前が分かれたのは何時だろう?
 何故、其れが必要なんだろう?

Cosmos-Michael

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みかえる白書34

 『彼諭流』を出版して変わった事。

 其れは、文芸社の本社ビルの地下にある「著者サロン」を利用出来るようになった事。

 前述の時の訪問で、担当のS氏に連れられて、初めて著者サロンに入った。

 先ず、エレベーターに乗る。
 でもただ乗っただけじゃ、地下には行けない。
 著者サロンに行くには「鍵」が要るのだ。
 エレベーターを地下に降ろす「鍵」が。
 ……こんな事、初めての経験だ。
 其の「鍵」を回さないと、地下へのボタンが押せない仕組みになっているらしい。
 ……曰く、「誰もが出入り出来る わけじゃありません」

 エレベーターの扉が開くと、其処は、物凄くキレイな処だった。
 大きなスクリーンと巨大なモニターがあって、品の良い音楽が流れていて、フカフカの椅子が用意されていた。

 促されるまま腰掛けると、係りの女性がメニューを持って来た。

 此のメニュー、値段が書かれていない。
 ……無料なのだ。

 しかも、単にコーヒー・紅茶じゃなく、ブレンド・アメリカン・ダージリン・アールグレーなどと書いてある。……お見逸れ致しました。
 私はアールグレーをミルクで頂いた。

 しかし、綺麗だ。
 担当S氏によると、此の場所は元は倉庫で、没になった原稿が堆く積み上げられ、誰もが足を踏み入れるのを躊躇う場所だったのだそうだ。

 ……とても信じられない。
 だって、あまりに御立派過ぎる。

 事実、改装するのはとても大変だったそうだ。
 平日は来客が多くで大きな音は立てられず、休日のみで行ったので、とても時間が掛かったのだそうだ。
 でも一切妥協せず、思った以上の出来映えだと胸を張っていた。

 文芸社から出版している著者であれば、「出版記念パーティー」とか、「ミニ・コンサート」とか、「其の他イベント」に此のスペースを利用出来るのだそうだ。
 勿体無いお話しで。

 田舎者の私には、態々新宿で何かをするとは(今の時点では)思いつかない。
 だが、もしそんな機会に恵まれたら「遠慮なく使わせて頂こう」と思った。

 翌日友人に此の話しをしたら、
「よし!そんな特典があるなら、皆で行こう☆」
 とはしゃぎ捲くっていた。

 ……特典?

 其れは、
「著者として」
 の私の……?

 其れとも、
「其の悪友として」
 の君達の……?

 まっ、いっか。

 皆が居てくれたから、『彼諭流』も『唯眞仁』も『安津彌』も出版出来たんだから。

 其の時が来たら、皆で利用させて頂きましょ。

Cosmos-Michael

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誰かの為に1

 平成20年8月。
 みかえるはケアストレスカウンセラーの上級資格を取得した。

「誰かの為に生きたい・誰かの役に立ちたい」
 と、何時から願うようになったのか。

 人類が遥か昔に切ったスイッチをONにしたまま生まれ、大多数の方の視界に入らないモノを観、音を聴き、臭いに悩まされながら生きて来た。

 子供の頃は何も考えずに、観たまま聴いたままを口にしていた。
 耐えられない臭いを感じた時は、遠慮なくそう言った。
 他のヒトには分からなくても、みかえるにとっては「事実」なので、周りが鈍感なのか自分が敏感過ぎるのか、何方かなのだと思っていた。

 しかし、みかえるが観ていたのは、観えない筈のモノだった。

 子供の頃ピントが合っていたのは「既に身体を離れた方達」だった。

 ……ひとつ、言っておきたい。
 他の「既に身体を離れた方達」にピントが合う方がどう観ていらっしゃるかは知らないが、みかえるが観ていた方達は、見掛けでは「生きているのと大差ない」感じだった。
 例えば、映画「シックス・センス」に描かれていたような感じではなかった、という事だ。

 幼い頃の方が、相手方がよりはっきり観えていたようで、小学校の高学年の頃は「身体から離れた方」だと分かっていたように記憶している。
 何と言うか、肉体的な厚みが感じられなくなったのだ。

 観えないモノを観ているのだと自覚するようになってからは、怖さとの闘いだった。
 否応なく観えてしまうので、観ている間は割と冷静なのだ。
 どんな風に観えたかもキチンと憶えているし、説明も出来る。
 怖いのは、其の後だ。
 先ず「観ていた」事実に鳥肌が立つ。
 そして「また観てしまった」事に嫌悪を感じ、「此の次も観てしまうかもしれない」恐怖に震えた。

 ある程度、血筋の所為らしい。
 母も祖母も叔母も其の気はあるが、みかえるは特出していたらしい。
 観てしまった事やモノを黙っていられず其のまま話してしまうので、よく口を塞がれ、黙るよう叱られた。
 何がいけないのか分からなかったから酷く戸惑い、段々誰にも話せなくなっていった。

 自分だけが感じているなんて、想像さえしなかったから。

Cosmos-Michael

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みかえる白書33

 しかし、不本意な指摘をするヒトも居た。
 ……誰あろう、『彼諭流』誕生に貢献して頂いたM嬢だ。

 当然の事ながら、全く無名で何の賞を取ったわけでもない私が全額出版社持ちで本を出せる筈はなく、製作費の一部を負担せねばならなかった。
 ……此れは、『彼諭流』の時も同じだ。

 私としては「出産費用」のように位置づけていたので、其れで国会図書館に納める「存在の証」を生み出せるなら、其れは其れでいいやと思っていた。

「カモにされているんじゃない?」

 ……カモ?
 ……カモって、「鴨が葱背負ってやってくる」の、あのカモ……?

 ちょっと待って。
 文芸社みたいに大きな出版社が、其れも新宿御苑の真ん前にドーンと自社ビルおったてて逃げも隠れも出来ない会社が、私みたいな文無しの無名新人作家をカモにして、何の得があるって言うんだ……?
 第一『彼諭流』の時だって、約束した事は何一つ破られてないし、新聞広告だってちゃんと指定した場所だった。

 其れでもM嬢は、
「本当に文芸社でいいのか、疑問だ」
 と言う。
「インターネットで文芸社の実態について資料を入手した」
 と。

 だったら内容を教えてくれとお願いしたら、資料は手元にないのだという。
 そんないい加減な話はあるものか!

 更にM嬢は、
「実は、前から知っていたけど、『彼諭流』を出版して歓んでいる貴女には教える事が出来なかった」
 と言った。
 私は、
「かい摘んででも、知ってる事を教えて欲しい」
 と願ったが、一向に話そうとしない。
 ……意地悪されている気分になったとしても、仕方ないと思う。

 さぁ、落ち着かない!
 私は直ぐさま文芸社の担当者(出版企画部長のS氏)に問い合わせた。
「インターネットで文芸社を誹謗中傷するような情報が流れているらしい事を聞かされている。もし本当なら、詳しい事を教えて欲しい」
 S氏からの回答は、異常なくらい早かった。

 数年前、文芸社が急速に躍進した頃の事だ。ある出版社の社長が「文芸社の内情はこうだ」といったような記事をインターネットで配信し、文芸社側が「名誉毀損」で訴えを起こした。
 結果は文芸社の勝訴で、相手は、個人では史上最高額の賠償金を支払う事になり、問題の記事はインターネット上から消すように言い渡された。
「悔しい。……本当に、悔しかった。未だにこうして囁かれているのかと思うと、悔しくてやりきれない!」
 出版契約の為文芸社を訪れた私に、S氏は当時の新聞記事や資料を出して説明してくれた。
「正に、出る杭を打つような行為ですね」
 しげしげと資料に目を通していると、
「其れは君も同じでしょう?……其のお友達。本当に心配してくれるのなら、何故知った時に言わないのか何故此れから新たな出版を控える天乃君にそんな事を言うのか。僕には理解出来ない。協力してくれる友達の行為の方が、ずっとすんなり受け入れられるよ」
 ……確かに、仰る通りで御座居ます。
 事実、
「もしかして、こうゆう事について言ってるの?だったら、こんな事件だったそうだけど?」
 とメールしたが、以後一切、何の連絡もして来ない。

 協力してくれる友人達は、
「やっかんでるんじゃないの?」
 と言う。
 高卒で、何の資格もない私が、全国流通の出版(其れも、二冊も)出来た事について、大卒でいくつも資格を持ちながらなかなか理想に辿り着けない彼女のやっかみだ、と。

 でも……。其れも、学びなんだよね。

 『彼諭流』も『唯眞仁』も、大変な思い(心情的にも経済的にも)をして世に送り出す道に乗っける事が出来たわけで、私は胡坐を掻いてただ観ていたわけじゃない。
 生命を削って書き上げたのだから、読んで頂けば、《天》は何一つ無駄な事はなさらないと気づいて頂ける筈だ。
 ……勿論、M嬢にも。

 待っててね。

 出来上がったら、観て頂くよ。
 ……嫌でも!

Cosmos-Michael

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みかえる白書32

 処が、愉しんでばかりもいられない。

 文芸社から連絡があり、少しでも出版費用の負担額を抑えられるよう、『唯眞仁』を『彼諭流』と同じ位の長さに、つまり「原稿用紙二百枚分削ってくれ」というのだ。
 冗談じゃない!
 そんな事をしたら、『彼諭流』の解答と『安津彌』への繋がりが目茶目茶になっちゃうじゃないか!
 思いっきり反論した。
 曰く、
「Queenの《BOHEMIAN RHAPSODY》だって、レコード会社の意向通り三分に短縮されていたら、二十世紀最高の曲になれたかどうか!」
 と。
 生意気で我儘なのは承知の上。私は私なりに、表現者としての一分を守りたかった。

 出版費用が高くつく事は問題じゃない。
 削られてミケらしさが失われるくらいなら、足りない分は稼げばいいじゃないか!

 思うのは簡単だが、そう上手くいくものではない。
 しかし、私の、
「世に伝えるんだ!」
 という強い意志に共鳴し、友人立ちが様々な面で助力してくれた。

 取り敢えず、『彼諭流』の読者でもありノニ仲間でもある友人の申し出で、彼女の嫁ぎ先のお花屋さんで働かせて頂く事になった。
「何が何でも出版して!食事くらいなら、何時でもご馳走するから!」
 と。
 同じような申し出は、彼女だけではなかった。
 頃は一年で一番寒い時期、大分元気になったとはいえ、未だ後遺症に苦しむ身。
 しかも、花屋は超~寒い!
 事の成り行きを聞いたノニ仲間の友人姉妹が、彼女の店で扱う古着の中から暖かい衣料を山のように用意してくれた。
「今此の時期に出版する事に意味があるから出来上がったんだから!ご飯くらい何時でも食べさせるから!」
 と。

 全ては『唯眞仁』出版の為。
 友人達も『唯眞仁』を世に送り出す事に強い意義を感じてくれている。
 皆の支えが本当に有難く、感謝で胸が熱くなった。
 こうなったら、何が何でも出版しなければ!
 私独りだけじゃない。
 協力してくれる友人達の「響き」も乗せて!

 器が朽ち果てても残るものを紡がせて頂けた事、此の世にどれだけ還せるかを思いながら毎日生かされている事、伝えたいモノが(ひとりでもいい)誰かに伝えられるなら、生まれて生きた甲斐がある。

 事故で死ななかった。
 包丁握る程辛くても死ななかった。
 生きていたから書き上げられた。
 生きている事がシアワセだと気づけた事、其れ等全てを注ぎ込んだから、『唯眞仁』は世に出す価値が在る。

 誇りを持って、
「傑作だ」
 と言えるから。

Cosmos-Michael

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みかえる白書31

 世は殺伐としていた。

 いじめによる子供の自殺、未履修問題による大人の自殺、飲酒運転による死亡事故。
 格差社会による貧困の現状が明らかになりつつあり、金さえあればなんでも出来るという風潮が高まり、金銭に纏わる数々の事件も起った。
 加えて近隣諸国で不穏な動きもあり、平和憲法を持つ此の国が声を上げて主張して然るべき時なのに、何も出来ず、在るべき姿がどんどん崩壊していった。

 生命の意味を軽視し、生きる目的が見失われ、結論を急ぐ風潮が腹立たしく、『還るまえに』(みかえるの一番最初の日記です)を書いた。
 丁度、佳境に入っていた『彼諭流』の続編『唯眞仁』の中に『還るまえに』のメッセージを込めると、予想より四ヶ月も早く書き上がってしまった。
 書き上がってしまったら、何とかして出版したいのが母心。
 早速打ち出し、四十ポケットのクリアファイル三冊に収め、文芸社の担当部長さんに送った。
 ……十二月八日。伝説的な愛と平和の革命家だった偉大な音楽家が銃弾を受けた日だった。
 奢った言い方をして申し訳ないが、審査に通らないとは思わなかった。
 『彼諭流』が全国流通で出版出来たのだから、『唯眞仁』が出来ないとは思えなかった。
 『彼諭流』を書いてから九年が経過していたし、様々な経験を通してそれなりの成長を感じていたから、母としては『唯眞仁』の出来の方が上だと感じていた。

 因みに『彼諭流』はAyurveda(生命の科学)、『唯眞仁』はHumanite(慈悲)からインスパイアされたタイトルだ。

 平成十八年も押し迫った十二月二十八日。思った通り、全国流通で出版出来る資格を得た。
 ただ、今回は勝手が違う。
 『唯眞仁』は『彼諭流』より原稿用紙二百枚は長い。当然、出版費用もより多く掛かってしまうだろう。
 正直、悩んだ。
 このまま細々と暮せば二年はもつだろう貯金はある。
 けど、其の全てを叩いても、『唯眞仁』の費用には足りないかもしれない。

 明けて、平成十九年正月。
 例年通り、元旦に父の墓に参った。
「どうだろうね、お父さん。一文無しになっちゃっても出すべきかな?」
 死後殆ど夢にも現れない父が、フゥ~っと目の前に立った気がした。
「ミケちゃん。此方には身体もお金も持って来れないよ。置いて来れるモノがあるなら置いておいで。還せる物は還してからおいで」
 ……そうだな。
 仮令一文無しになったって、働きゃ喰う位にはなるだろう。

 さて、愉しみになってきた。
 『彼諭流』『唯眞仁』が売れるのが先か、一文無しになるのが先か。
 上手くいったら、やりたいボランティアに繋げるんだ。

Cosmos-Michael

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みかえる白書30

 Londonから戻ると否応ない現実が待っていた。

 私は未だ無職だった。
「作家だ!」
 と言い張れば嘘ではないけれど、現実には収入がない。
 偶然にも、私の大好きな「素晴らしい美声と溢れる才能を持つ天才的な芸術家」の六十回目の誕生日の日に頂いた初めての(微々たる)印税は、彼の名を冠した団体に全額寄付してしまった。
 (ついでに『彼諭流』も送ってしまった☆)

 到頭失業保険も切れてしまった。
 此の先、一体どうしたものだろう……?

 自分としては、作家でありたいし、ヒトの役に立ちたいし、遣り甲斐のある事がしたいし、存在した感謝を此の世に還してから逝きたいし……。
 だが、思うような仕事はなく、年齢的にも厳しい状況だった。

 いや、えり好みをしているのではない。
 私だけを何とか喰わしていければ良いなら、どんな事だってする。
 けど、私がしたいのは
「私の身体を永らえさす為」
 の事じゃなく、
「此の世に感謝を還す」
 事であり、
「誰かの役に立つ」
 事であり
「HIV陽性者・AIDS発症患者の応援団」
 だった。……欲しいのは半端な額じゃない。

 ……有り得ませんよ、実際。
 私は無職で無資格だし、卓越した才能があるわけじゃないし、大金稼げる自信もない。
 『彼諭流』の力は本物だから何時か分かって頂けると信じていたけど、即成功出来ると思う程自惚れては居ない。

 どうするんだ?私。
 何が出来るんだ?私。
 どうやったら粋に生命を使って、此の世に感謝を還せるんだ……?

 或る日の夜、眠る前に可成虫がいいお祈りをしてみた。
「私が気持ち良く出来て、社会に貢献出来て、物語りを書く時間が持てて、暮らしに困らなくて、チャリティやボランティアが出来る、成功する仕事を下さい。もしないなら、(パートで働きに出ろ、等)分かりやすい道を示して下さい」
 正直、自分でも呆れる位虫がいいお祈りだ。
 でも、真剣に祈ってから眠った。

 翌日、二年半逢っていなかった友人から電話を貰った。
 しかも、連絡をくれたのは初めてだったので物凄く驚いたが、とても嬉しかった。
「実はね……」
 とても弾んだ声だ。
「ビジネスのお誘いなんだよ」
 一瞬、頭が真っ白になった。
「僕は必ず成功するんで、其のパートナーになって欲しいと思ってるんだけど……」
 守護霊様……、此れは何ですか?
 お祈りに答えて下さったって事ですか……?
「宝石屋さんの仕事は忙しいの?」
「いや、実は……。交通事故に遭って、今無職なの」
「其れはいい!グッド・タイミング!」
 以前参加したハワイセミナーで御一緒した一家の御主人だった。
 私の憧れの家族で、御主人も奥様もお子さん達も大好きだったが、私が其のセミナーに通うのをやめてしまったので、ずっと逢えずに居た方達だった。
「どうして電話してくれたんですか?」
「いや、ピンと来て。アドレス帳を観てたら、どうしても電話しなくちゃって思ったんだよ。此のビジネスに、ぜひ貴女も参加して欲しいって」
 驚いた。
 本当に驚いた。
 何より連絡を下さったのが嬉しかったし、またご一家とお付き合い出来るのが嬉しかった。

 其の時の電話ではビジネスの話はせずに、詳しい資料を送ってくれた。
 紹介されたのは、タヒチ産のパワーフルーツ、ノニのジュースを紹介するビジネスだった。
 調べてみると大変栄養価の高いジュースで、単にビジネスとしてだけでなく、私のオンボロな身体を修復するのに大変役立つ食品だと分かった。
 しかも紹介された会社は此の産業のパイオニアでナンバー・ワンのシェアを誇り、同社のノニジュースは世界一厳しい安全基準とわれるEUのノベルフードの認定を受けていた。
 此の時点では、ノベルフードに認定されたものは十四品目しかない。
 つまり、世界で一番安全な健康食品だった。
 其の上、アメリカの医師の九十パーセントに最も重要な参考文献と認められている医学書・PDR(PHYSICIANS’ DESK REFERENCE)にも記載されていた。
 更に、同社はボランティア活動や社会貢献を積極的に行っていた為、創業八年目で国連の外部団体から社会貢献賞を受賞していた。
 更に更に、同社はインク500で第一位、グリフィンヒルコンサルティングで第四位の評価を受ける成長率で、日本の大手製菓メーカーなどとダブルブランドの商品開発もし、既に販売もされている大企業だった。

 調べれば調べる程断る理由が見つからず、取り敢えず試してみた。
 一週間もせぬ内に劇的な効果が表れた。
 先ず、飲んで二日後に滞っていた生理が来た。
 次に、身体の痛みが軽く、顔色が良くなり、髪に艶が出た。
 そして、あれ程私を苦しめたパニック発作が軽くなった。
 此の感動は相当なものだった。
 余りに嬉しくて、
「顔色が良くなったね」
 と言われたりすると、どれだけノニジュースに救われたかを興奮して話し捲くった。
「其れなら私も」
 と、何人かの友人が試すようになった。
 取り敢えず体調を整える為にも、先ずは一年続けてみる事にした。
「仮令一年後に成功して左団扇の生活をしていなくても、一年飲み続けていれば其の分健康になっている筈さ」
 と。

 何時か、得た収入でボランティアをするのが夢だ。
 健康になった上、其のたしにでもなれば有り難いのだが。

Cosmos-Michael

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みかえる白書29

 折角のLondon滞在なので、目的の最終日以外は心置きなく愉しんだ。

 先ずは大英博物館。
 此れほど多彩な展示物は、なかなか観られるものではない。
 余りに広くて歩き回るのが大変だったが、素晴らしい歴史の数々に触れられて、とても愉しかった。

 中でも印象的だったのは、「生と死」というタイトルで纏められた部屋に展示されていた、一枚のポスター。
「My friend with AIDS is still my friend」
 と書かれたTシャツを着た少年が、彼の友達と肩を組んでいる姿が描かれていた。
 不意打ちを喰らったようで、私は暫く其のポスターの前に立ちすくみ、溢れる涙を抑える事が出来なかった。

 Londonの街中を、ガイドブック片手に、動き回れるだけ動いた。
 大英博物館、ヴィクトリア・アルバート博物館、テート・ブリテン、ビッグ・ベン、ロンドン・アイ、コヴェント・ガーデン、レスター・スクェア、ピカデリー・サーカス、ポートペロー・マーケット、ケンジントン・パーク、ハイド・パーク、ウォレス・コレクション……。
 Undergroundに乗り捲くり、彼方此方を観て回った。

 食べる方も愉しんだ。
 野菜と一緒にハムやチキンを巻いたトルティーヤのロール・サンド、日本で食べるのとは大分内容の違うシーザー・サラダ、パブで飲んだ初めてのシャンディ、チキンのケバブ、拳二個分はあるだろうジャケット・ポテト、名物のフィッシュ&チップス、一度体験してみたかったイングリッシュ・アフタヌーンティー、中華のテイク・アウェイ……。

 ヴィクトリア・アルバート博物館で食べたキャロットケーキとブルーベリー入りのチーズケーキは甘さ控えめでとろける美味しさだったが、コヴェント・ガーデンのティラミスとレア・チーズケーキは飲み物がないと食べられない程甘かった。
 でも、何を食べても(私の貧しい舌には)美味しくて、食べ物に苦労はしなかった。
「迷ったらパブ」
 此れは絶対に!
 パブはランチとディナー両方試したが、何処も安くて美味しかった。
 此の旅で一番贅沢な(高額の)食べ物は、アフタヌーンティーだった。

 残念な事が一つだけある。
 どうしても観たいと思っていた絵、ウン十年前からぜひ観たいと願っていた《妖精の樵のたくみな一撃》が観られなかったのだ。
 展示物の入れ替えで、二ヵ月後に飾られるとの事だった。
 う~ん、残念っ!
 其の頃は、かの「素晴らしい美声と溢れる才能を持つ天才的な芸術家」の命日に近く、出来ればもう一遍お花を手向けに行きたい気もしているのだが、現状では無理だ。

 ……よしっ!

 いつか再び十二時間の飛行機に耐えて観に行くぞ!
 待ってろ、テート・ブリテン!
 待ってろ、《妖精の樵のたくみな一撃》!

Cosmos-Michael

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みかえる白書28

 職を退いて半年程過ぎると、大分体調も良くなってきた。
 二年前から「今年行こう」と決めていたLondonに、此の分なら行けそうだと思った。

 実は、三十年前から行きたいと思っていた。
 初海外がNYだったのは、其の頃未だLondonへの直行便がなく、乗り換えて二十時間近くかかってしまったからだ。
 直行便が出来たお陰で、飛行時間は十二時間に満たなくなった。
 色々考えたが、こんなチャンスはそうそう訪れるものではない。
 其れに、今年行こうと思っていたのには理由がある。

 其の年(平成十八年)は、私の大好きな「素晴らしい美声と溢れる才能を持つ天才的な芸術家」の生誕六十周年であり、没後十五年目に当たる。
 『彼諭流』の誕生に大きな影響を与えてくれた彼に、其の誕生日か命日に、お花を捧げに行こうと思っていたのだ。

 花は絶対「薔薇」と決めていた。
 其れも「紅い薔薇」。
 英国の象徴だし、華やかで品のある花だし、美しいものが大好きな彼に良く似合うと思った。

 ノッティング・ヒルで見つけた真紅とオレンジから赤のグラデーションとピンクのグラデーションの三種類の薔薇、ホテルの最寄の駅構内のショップでリボンと和紙風の包装紙を買い求め、ホテルに戻って花束作りにチャレンジした。
 同行してくれた友人が手伝ってくれた。
 水揚げして一晩置き、当日の朝棘を取り、葉を落とし、三種類の薔薇を取り混ぜて花束にし、和紙風の包装紙で包み、赤いリボンを結んだ。
 準備が整うと、出来上がった花束と日本から持参した『彼諭流』(全て日本語で書いたカード添え)を抱え、友人と共にケンジントンの高級住宅街に向かった。

 未だ朝の十時前だったが、其れでも何組かのファンが訪れていた。
 皆さん躊躇しているようで、花やカードを持っていても、誰も彼の家に近づけないで居た。
 私は、
「此の為にLondonに来たんだ!」
 という想いが強かったので、躊躇せずに彼の家の前まで行き、扉の少し横に作りたての花束と『彼諭流』を(誰よりも先に☆)置いた。
 そして暫く祈り、何枚か写真を撮り、其の後、大きく深呼吸して其の場を去った。
 振り返ると、私が置いたので釣られたのか、集まっていたヒト達が次々と花束やカードを置いて写真を撮りあっていた。

 夕方、もう一度独りで其の場に戻った。
 明日は帰国の日だったので、最後のご挨拶の心算だった。
 観てみると、朝私が置いた花束と『彼諭流』が無くなっていた。
 釣られて置いていたヒト達の花なども無くなっていて、新たに色々なモノが供えられていた。
 もしかしたら、沢山のヒトが訪れたので、一度供えたものを片付けたのかもしれない。
 でもどんなカタチにせよ、『彼諭流』は彼に届いたと信じたい。

 彼がAIDSで亡くならなければ、其の事実を受け止めて生き切らなければ、私の内に「諭流」は生まれず、「あづみ」も「良太」も「アーユル」も生まれなかっただろう。
 亡くした哀しみは消えないが、ただ感謝しかなかった。

 暫く其の場に佇んだ。周りには色んな人種のファン達が居て、皆直ぐには立ち去り難いようだった。
 日本人のファン御一行も訪れたが、大騒ぎで写真を撮って直ぐ去って行った。
 陽気な地元のファンふたりが、缶ビールで乾杯していた。
 朝からずっと、彼の誕生日をお祝いして飲み続けているのだと言った。
「何処から来たの?」
「日本から」
「彼の誕生日を祝ぅ為に?」
「そう。其れと、お礼をする為に」
 ……どれだけ感謝しても、しきれないけど。
 私は、亡くなって十五年も経つのに、彼が今でもこうして沢山の人に愛されていると知ってとても嬉しいと言うと、彼女達は、
「Never forget him!!」
 と、瞳を潤ませて言った。
 彼女達の携帯電話は、待ち受け画面も着信音も彼の所属していたバンドだった。
 勿論私も同じだったので、待ち受け画面を見せたり着信音を鳴らしたりしてみせた。
「日本語で歌った曲があったでしょ?確か……」
 彼女には発音が難しそうだったが、間違えずにタイトルを言った。
「うん。でも、ソロ・アルバムの二曲目が好き」
 私が彼のソロ・アルバムの日本語の曲の触りを歌うと、
「日本語大好き。日本人も大好き。彼も日本が大好きだった。日本のヒト達が、英国人の彼をずっと愛し続けてくれて、とても嬉しい」
 と言ってくれた。
 ……だが、
「日本人はお金持ちだから、遠いのに、Londonまで来られて良いね。英国人は、誰も彼もが海外旅行出来るわけじゃない。殆どが貧しくて、遠い国まで行くなんて夢の話だよ」
 とも言われた。
「そんな事ないよ。日本人だってお金持ちはほんの一握りだし、私が英国に来たのだって、行きたいと願ってから三十年も掛かったんだよ」
 だが、Londonの街中で本当に沢山の日本人に出くわしていたので、言い訳にしかならないな、とも思った。

 暫く話し、互いのカメラに互いの写真を「Memory」し、Hugして別れた。

Cosmos-Michael

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みかえる白書27

 世の中に、自らの生について知りたい、理解したいと思っておられる方は、どれ位居るのだろう?

 私も、此処までの時間の大半を其の事に費やして来た。
 様々な本を読み、ヒトに逢い、教え諭され、其れでも雲を掴むようでなかなか理解までには至らず、また次の本を読み、ヒトに逢い……、ずっとずっとそんな事を繰り返してきた。

 平成十四年の二月から、二年間程受講したセミナーがあった。
 関係性心理学がご専門のご夫婦が主催するセミナーで、共通の友人を介して知り合ったヒトの受講体験を聞いて参加を決めた。
 生来の特異体質と読み漁った本に培われた頭でっかちのまま参加したので、セミナーではどうも浮いてしまった。
 どちらかというとセミナー全体の雰囲気を壊すような存在になり、どうもしっくり噛み合わず、大枚はたいて参加したのだが、結局は此の船を降りる道を選んだ。
 今でも、其れは其れで良かったと思っている。
 其処で知り合った何名かの方との親交は続いているし、主催者のご夫婦はとても魅力的な方たちだったし、事実、愉しい思い出も沢山あるし。
 ただ、やめてしまった方たちに対する発言が漏れ聞こえてくると、とても遣る瀬無なくなる。
 ただ船を降りただけの方も居る、内部的に何かあって降りた方も居る、全く別の船に乗り換えた方も居る。
 皆様々なのだが、其のヒトが此の人生で出来る精一杯の学びの為にした選択なのに、あまり良く言われてないようなのが哀しい。

 特に、別の船に乗り換えた(違う先生についた)ヒトには辛辣らしく、もし本当ならとても哀しい。
 何か一番哀しいのかというと、ヒトが今生でする学びはヒトによって違うから、どんなに優れた教えであっても、学びに添うものでなければ違う方向に向かっていくのは自然な事。
 そうゆう学びを選んだヒトが一時席を置いて離れていった事が、残された側の学びにも繋がるのだと思うので、離れていった方を批判されるのは、世界中で起こっている様々な混乱の元と同じに思えてならない。

「俺の言う事を聞け」

 此れが、一番単純な理由。

「俺(の信じているの)は神だがお前(が信じているの)は神じゃない」

 此れが、全ての宗教紛争の理由。

「俺が正しくてお前は間違っている」

 此れが、全ての争いの理由。

 勿論私も経験した事だから、分かる。
 あっちゃいけない事ではなくて、学びの課程で必ず通る道で、何度も何度も迷って戻る場所でもある、と。

 でも、セミナーリーダーが受講生にして良い話しではないと思う。
 迷った挙句、自らの道を探す手掛かりといて訪れるヒトも居るのだから、静かに見送る度量を見せて頂きたかった。
 私でさえ、一時お世話になったのは大変良かった事だと思っている。
 今のシアワセに辿り着くには、其処を通り過ぎて行くのが一番の近道だったから。
 感謝しているからこそ、何時でも訪ねられる場所であって欲しかった。
 そう思い直して頂けるのを期待します。

Cosmos-Michael

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みかえる白書26

 翌日も晴天。
 微熱はひき、頭痛も(頭の奥底に余韻を残していたが)ほぼ治まった。
 其の代わりなのか、鞭打ち症状が悪化したように、首が痛くて動かせない。
 肩もパンパンに張り、腕が挙げられない位重く感じた。

 でも今日は違った。
 何時ものように悪態吐いたりせず、身体に訊いてみた。
「物凄く痛いんだけど、寝ていた方が良い?出来れば今日も御手洗峡に行きたいんだけど、動けそう?……っていうか、御手洗峡に行く事が必要かな?だから行きたいのかな?」
 すると、身体がゆっくり動き、布団をたたみ、支度を始めた。決して急がなかった。
 ゆっくりと、痛む処に負担が掛からないように動いていた。
 でも、体感的には、
「何で動けるのだろう?」
 と思う程痛いのだ。
 顔を洗う時、両手に掬った水を当てるだけで、首に電気が走るように痛いのに、動いている。
 其れを、体感しながら観ている自分が居る。……実に不思議な感覚だった。

 朝食の時も、箸を持つ手に力が加わらない。
 なのに落とさず、零しもしないでゆっくり口に運んでくれる。
 噛む時に、首から肩に痛みが走る。
 なのに口は咀嚼を止めようとしない。
 ……全てが私の行の為、身体は協力してくれている。
 きっと痛みは交信手段なのだろう。
 しちゃいけない事や、其れでもすべき事を知らせてくれているんだ。
 こんなに立派な制御装置に乗っているんだから、よくよく確認しあって進めば、事態は好転するしかなくなるだろう。

 此の、痛みを、受け入れよう。

 此の、辛さと、付き合おう。

 胎内に居た時を含めると、もうウン十年以上一緒に居るんだね。
 なのに、漸く付き合い方を憶えたよ。
 ……有難う。
 最期のお別れを言う時が来るまで、ずっと一緒に居ようね。

 抵抗するのを止め、痛い処は痛いに任せた。
 天川滞在中はずっと何処かが痛く、何処かが辛かった。
 でも、とても幸せだった。

 《天》は私が此処に存在し、学び進む事をお許し下さる。
 陽に照らされ、雨に注がれ、風に吹かれ、大地を歩む事を良しとして下さる。
 其の自由と、全宇宙に見守られる深い愛を感じる事が出来て、また、其れを受け入れる歓びを感じる事が出来て、こんなに幸せな事はないな、と思っていた。

 現実は、何も変わらない。
 無職なのも、調停中なのも、此の先どうなるのかも分からないままだ。

 でも、『彼諭流』の中で、
「淋しくないように留まるのと、其れでも前へ進むのと、どちらを選びますか?」
 のアーユルの問いに、
『折角逢えて親しくなった皆と別れるのが淋しくて此の世界に留まるのと、どんな辛さが待つのか分からない元の世界に戻って生きるのと、どちらを選ぶかって聞かれたら……』

「行くよ」
 と、あづみはキッパリ答えていた。

 此の、リセットの為の天川滞在で、私はあづみの追体験をしているような気がした。

「《天》はどんな奴にも期待してるし、必要だと思ってる。だから其れなりに修行して、世界に対して自分の責任を果たさなくちゃいけないんだ。そしたら何も思い残す事が無い、達成感に溢れる最期を迎えられるってわけ。……なぁ坊ちゃん。人生は、終わりの時迄生命を大切に運ぶ過酷な作業だろ?其の人生を満足に終われるって、物凄く贅沢だと思わないか?」

 其の為に、其れだけの為に、こうして生きているんだよ。
 様々な出来事も、身体との関係も、出逢いの不思議も、全て其の時を迎える為だけに、整えられたものなんだ。
 何を学び、どれだけの行を修めて還って逝けるかを、其の経験を、歓びと共に愉しむ為だけに生命を使うんだ。
 日々の学びは壮絶だから、また凹む事もあるだろう。
 でも、此の先何が待っていようと、必ず還れる場所が在る。
 其れを思えば、今生の行を全うするまで、何とか生きられるだろう。

 帰宅した翌朝、殆どの痛みが治まった。
 ……勿論、出掛ける前まで有った痛みは残ったままだったが。
 前述した憑依現象も、余りに身体を顧みなかった為に起こったものではないだろうか?
 ……暫く経過を見てみよう。
 身体に確認しながら、ゆるゆる進んでみよう。

 天川から戻ると、筆が進んだ。
 『唯眞仁』は順調に仕上がっていった。

 張った憶えもない伏線がパシパシ繋がり、予定より面白い展開を思いついてしまい、メインキャラとサブキャラの関係性が、『彼諭流』の世界観の中でバッチリ揃った。
 お陰で『唯眞仁』処か、『安津彌』までの全てのピースが嵌り、私の中でジグソーパズルの全体像が明らかになった。
 さぁ、あとは書くだけ。
 ……でも、こんな感じになっちゃうとは思わなかったな。
 思っていたよりずっと深くなっちゃいそうだ。

「人生に必要なのは明確な目的だ!全ての経験を愉しむ為に、粋に生命を使うんだ!」

 当初予定していたメッセージは、充分込められると思う。
 逸れ以上のプラスアルファーは、読んで下さったヒト達の中で生まれる筈だ。
 ……一生懸命じゃなくて、真剣に生きる事。
 瞬間瞬間を大切に、出逢う事や起こる事の全てを愉しんで、何時か還って逝く時に、
「あぁ、未だ彼れも此れも其れも何れも遣っちゃいたいのに、……でも、……そっか、お迎えかぁ……。んじゃ、此処は一先ず還るとするか……」
 なんて、粋な気持ちで還りたい。
 スッキリ、サッパリ、恙無く……。

 約一ヵ月後、調停が終了した。
 あまり大きく揉める事もなく、気がつけば、すんなり終っていた。

 ……あんなに苦しかったのは、何だったのだろう?
 今回の事で、何を学ばなければならなかったんだろう?
 ……少なくとも身体と会話する事を憶えたのは、此の先真剣に生きるのに随分役に立つだろう。

Cosmos-Michael

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みかえる白書25

 リセットの必要を感じた。

 此のまま悶々とした日々を送っていても、何にもならない。
 どんどん陰に迫ってしまって、書く事も儘ならなくなってしまう。
 何の為に毎日生命を削って生きているのか分からなくなってしまう。……だから、決心した。
 第二の故郷に、リセットしに行こう!

 奈良県吉野郡天川村。
 一時期の霊能ブームのような賑やかさはなくなったが、静かで自然が溢れていて、大地や川や空からも豊かな波動が注がれる場所。
 此処でゆっくりと休息し、贅沢な散歩を愉しみ、ゆったりと温泉に浸かり、全てを浄化したかった。

 其の思いを受け止めてくれたのか、出発早々脱水症状の気配。
 頭痛と微熱が治まらず、飲んではトイレ飲んではトイレの繰り返し。
 身体の何処にこんなに水分が余っていたのかと思うくらい、止まる気配がない。
 結局、天川に到着するまで三リットル程飲み続け、十回以上トイレに通った。
 ……先ずは浄化の第一段階。
 此の時点では、未だ抵抗している部分が多く残っていた。
 愉しみにしていた温泉にも、脱水症状に備えてスポーツ飲料を五百ミリリットル飲んでから入り、出た後にも同量の水分を取った。

 翌日。
 梅雨時だというのに、また、サラスバティの恵みの雨の多い村なのに、朝から好天に恵まれ、大好きな御手洗峡へ向かった。
 岩山と原生林に囲まれた渓谷。
 大峰山系に降った雨を集めた清流。
 其の大自然の中で、大きな岩の上に寝そべっての瞑想は、私にとって至福の時だった。

 ……ふと、気づいた。

 今、身体は微熱を帯びている。
 頭を振る事も出来ないくらいの頭痛を感じている。
 でも、身体は私を此処に来させてくれて、此の至福の時を経験する機会を与えてくれている。
 こんなに辛いのに、こんなに痛いのに、其の事に屈して動かないで居るより、必要な事を体感させてくれる為に、乗っている私の為に頑張ってくれているのだ、と。

 今まで、ずっと身体を受け入れられなくて来てしまっていた。
 今生の乗り物だ、自分で選んだのだと頭では分かっている事なのに、受け入れて理解出来ずに居たのだと。
 ずっとずっと、身体とケンカしながら過ごしてきたのだと。

 当然今の不調は其の所為だけではない(事故による不調・精神的な圧迫を含む)が、なかなか好転しない事には充分関連があるように思えた。
 身体が思い通りに動かない事が辛かったし、痛い処があるのが嫌だったし。
 そういえば体型も気に入らない。
 足なんか太過ぎるしお尻も大きいし、二の腕なんか立派過ぎるし指が短いし爪の形が格好悪いし、PDが広過ぎるし髪が猫っ毛過ぎるし、……大嫌いだった。

 でも、身体はこうして私の今生の行が恙無く終えられるように、最大限の協力を買って出てくれている。
 私が悪態吐いている内に、必要な処に運んでくれている。
 仮令納得いかなくても、必要な痛みを必要なだけ感じて、私が其処から学び取らなければならない事の為に、自ら痛みを引き受けてくれている。
 ……だって、本当に痛んでいるのは身体で、私じゃない。
 私は其の痛みを体験させて貰っているだけなんだから。
 其の痛みを買って出てくれる身体とケンカしながら過ごすなんて、何て愚かなんだろう。

 此の、痛みを、受け入れよう。

 身体との関係を、確認しながら生きていこう。
 今は分からなくても、きっと必要だから感じている筈。
 ……だから。
 此の、辛さと、付き合おう。

 瞑想は穏かに終った。
 辺りには、流れる水の音と、野鳥の鳴き声しか聞こえない。
 なのに木漏れ陽が綺羅綺羅と音を立てて降り注いでくるのを感じた。

「私、もう身体とケンカしません」

 御手洗峡の其の場の波動全てに約束した。
 もう身体とケンカしません、と。

Cosmos-Michael

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みかえる白書24

 実は今回の事故に遭って以来、妙に憑依体質になってしまった。

 勿論、子供の頃から霊媒体質らしい事は知っていたが、憑依される(知らない間にくっついて来る)事は殆ど無く、気づかない事もなかった。

 だが、事故以来「ハッ!」と気づく時が来るまで、憑依されっぱなしで何日も過ごす事が何度か続いた。

 大概、其の時抱えていた問題の打開策が観えてくると気づく。そして、説得して還って頂く。すると、ちゃんと問題が片付いていく。
 ……なんでだろう?
 こんな事は今まで無かった。

 ……纏めなければ。

 兎に角。
 私は今現在、通勤途上で「交通法規を守って」信号待ちをして居た処、整備不良のトラックが起こした追突事故に「車間距離をしっかりとっていた」のに巻き込まれ、体調を崩しながらも治療を続けながら通っていた会社を辞めさせられ、其れを「事故とは関係ない」と訴えられ、精神的ショックから生理不順に成り、パニック症候群の発作と闘いながら調停を迎えようとしている。

 其の一方で、子供の時からの夢であった「自分の本」を出版し、讀賣・毎日両新聞の全国紙に広告を載せて頂けた。
 国会図書館にも納本され、此の身体で生きた証を残す事が出来た。

 物凄く嬉しい事と、何でこんな事が起るんだろうかと思う事が同時進行で進んでいる。
 其の上憑依・霊媒体質が激化してしまった。
 客観視すると大変面白いし、「さぞ大変だろうなぁ」と同情したくもなる。
 ……でも、現実なんだよね。
 全て私の生きてる途上で起っている事なんだ。

 多分此れは《天》の御意志だろうし、全て納得して「やります!」っていって此の世に出て来ている筈だから、必ずクリアして、次のステージに進まなければ。
 どんなに悩んでも、どれだけ苦しんでも、どれ程泣き叫んだとしても、必ずクリアして、『彼諭流』の親として、此の世の役に立つ行を修め続けますから!

 そして、調停の初日を迎えた。
 裁判所までは片道約一時間。
 以前(もう「以前」になってしまったのか……)の勤め先の直ぐ近くだった。……という事は、裁判所までの途上、事故現場を通る事になる。
 退職以来、三ヵ月半ぶりの長距離運転。細心の注意を払って運転していた。

 事故現場が近づく、次第に呼吸も落ち着かなくなる。
「ミケちゃんガンバレ、ミケちゃんガンバレ!」
 と、半泣きの声で叫びながらの運転だ。

 そして事故現場。
 なんと、後ろには大きなトラック!しかも信号は黄色!なのに、トラックのスピードは落ちない!
「ぎゃあぁぁぁぁぁ~~~~っ!」
 此のまま停車したら必ず追突されると思って、無理を承知の交差点突っ切り行為。
 案の定、後ろのトラックは減速する気配も無く、堂々と赤信号で後ろについて来た。

 もぉ、大変です!
 危険は承知ですが、片手は胸を押さえてます。
 物凄い鼓動!物凄くヒュ~ヒュ~いう呼吸!
 わけの分からない喚き声を上げて運転してます!
 ……こうして其の状況から離れると、もう少し落ち着け、とか、大丈夫だから深呼吸、とか、客観的になれるのだが、どうにも出来ないのがパニック発作。

 裁判所に到着するまで喚きながら運転していたが、到着した時、駐車場で声を掛けて下さった係りの方の余りに優しさに、ホッとした途端身体が震え出し、涙が止まらなくなってしまった。
 カウンセリングの資格を持っていらっしゃる方で、私がパニック症候群だと、直ぐに見抜かれておられた。

 さて、調停だよ。

 震えて泣いて過呼吸になりそうだったので、暫く落ち着くまで待って頂いてから始まった。

 担当の調停員さんは、何度も此のテの調停を経験なさっていらっしゃる方だそうだ。
 色々と質問を受け、此れまでの成り行きを話したのだが、聞き取り難くて「えっ?」というお顔をされる度、すっかり怯えていた私は、
「怒らないで下さい、怒らないで下さい。ちゃんと、もう一度説明しますから」
 と泣きながら謝った。
 ……本当に、責められているような気分だったから。

 暫くお話していると、調停員さん達は、
「一先ず私の話しを聞いて、此れからどうするかの判断のお手伝いをする方たち」
 だという事が、漸く飲み込めてきた。
「天乃さんは、相手側や保険会社にどうして欲しいですか?」
 と聞かれたので、今まで保険会社に言っていたのと同じ事を言った。
「私は、無理な事を言っているでしょうか?」
 と問うと、
「何にも無理な事は言ってないと思います。して欲しい事を相手側にぶつけるべきです」
 と仰るので、
「でも、今まで同じ事を言ってきているのに、こうして調停に持ち込まれているんです。其の間、相手側からは何の提案も無いし、事故が理由でこうなったのを認める発言をしていたのに、関係ないみたいに言ってるように思えてならない申立書を送ってきて、正直具合が悪くなるくらい悩みました」
 男性の方だったが、生理が止まった件も、当然話した。

 其の後、私が待合室に移って暫く待っている間に相手側と話をしたらしく、再び調停室に呼ばれると、「相手側は、治療費を打ち切ると言っている」と言われた。
 調停員さん達は、「せめて今まで掛かっていた分は払って下さい」と話したそうだが、態度を保留して帰ったそうだ。

 ……日本国総理大臣殿。此れが貴方の国の事実です。
 逃げる事の出来ない事故で怪我をし、体調を損ね、仕事と収入を奪われ、其の間さんざん嫌味や脅しめいた口調で精神的に被害者を追い込むような態度を取り続け、手続きで嘘を言い、私を現在のような状況に追い込んだ保険会社が、のうのうと「大企業」と呼ばれ「勝ち組」になっているのが我が日本です!

 弱者は尚弱く、強者は益々強く、勝ち誇ってる奴は其の他の者を踏み潰して息の根止めても尚勝ち誇る。そうゆう国にしたのは誰だ?
 そうゆうシステムの上に胡坐を掻くのを赦しているのは何故だ?

Cosmos-Michael

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みかえる白書23

 やがて五月になると、地元で一番大きな書店に『彼諭流』が並んだ。

 友人からの報告や写メールで其れを知った私は、何とも説明しようのない複雑な思いで覗きに行くと、最初に入荷した分は友人達の協力で売れてしまっていた。
 数日後、二回目に並んだ時は(書店様の地元の作家に協力的な計らいで)店頭に二列の平積みだった。

 沢山の方から、
「良かったねぇ!」
「おめでとう!」
 とお祝いの言葉を頂戴したのは有難かったが、どうにも返事のしようがなかった。
 ……夢だったんだよ、自分の書いたモノが本に成る事は。
 三十三年前初めて小さなお話しを書いた時からの、果てしなく現実味のない、絶対に叶うわけない夢だった。
 なのに、其処に並んでる。ウチの長男が、他人のような顔をして並んでいる。……心底、恐ろしくなった。

 何でこんな事をしてしまったんだろ。
 『彼諭流』は三部作だから、此のお話の全てを読んで理解したいと思って頂けたら、三部全てを発表しなければ、読んで下さる方達に大変申し訳ない。
 でも、三部全てを発表出来る機会が与えられる保証は無く、此の一冊で中断されてしまうかもしれない。
 こんな中途半端な事をして、本当に良かったんだろうか?
 抱き続けた夢が叶ったのではなく、却って自らの頸を絞める事態に陥っているのではないか?

 店頭に並ぶ『彼諭流』は哀しい位立派で目立つ装丁だった。
 中身には自信がある。 其れは、胸を張って言える。
 手にとって読んで頂ければ、必ず伝わるモノがあると信じている。
 だから、此の何とも言い難い気持ちは、決して『彼諭流』其の物に向けられていたのではない。
 其れを産んだ私自身が惨めだったのだ。

 何だってこんなに自信がないのだろう?
 ……いや、自信がないのではない。
 『彼諭流』のキャッチコピーに、
「ヒトは皆、ジグソーパズルのワンピース」
 と書いた以上、私にしか出来ない事をしているんだという自負はある。
 何度読んでも面白いし、続きも、其の他のお話しも、多分私にしか書けない部類のものなんだろう、とは思う。
 書いて、読んで、愉しんで、今までと何ら変わらない作業を続ければ其れで良かった。……なのに、心が晴れない。

 思うように心が晴れない理由の一つは、調停が控えていた所為だろう。

 事故以来クセになってしまったパニック症候群の発作で、喘息のようにヒューヒューした呼吸で、胸を掴まれるような苦しさを始終感じるようになっていた。
 ……此のままでは親子三代の狭心症になってしまうかもしれないし、発作で死んだりしたらシャレにならない。

 三月頭に弁護士から電話が掛かって来てから、生理も滞っていた。
 事故以来、量や日数やインターバルが区々になっていたのだが、文字通りピタッ!と止まってしまったのだ。
 此のまま更年期に突入したりしたら、本っ当にシャレにならない!
 可能性がゼロに近くたって、子宮が綺麗な内は望みを捨てたくないよ!医学が物凄く発達したら、妊娠出来る可能性が跳ね上がるかもしれないじゃないか!
 なのに、精神的な圧迫で生理が戻らなかったら泣くに泣けないよ!
 ……女性なら分かって頂けるだろうか。
 本当に『女じゃなくなる』気がして、そう思うだけで発作が起った。

 お医者様も「薬で治るものではない」との事で、一番良いのは精神的な負担を減らす事、だそうだ。
 結局三ヶ月滞って、調停の直前に生理がきた。
 此のまま順調に戻ってくれれば良いが、今の処は様子を見る以外ない。
 思う以上に女体はデリケートだった。

Cosmos-Michael

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みかえる白書22

 三月の終わり。
 丁度九年前、書き上げたのと同じ日に『彼諭流』の完成品が届いた。

 美しく、麗しい本だった。

 スカーレットカラーに「天使の翼」の地模様を入れ、黒っぽい焦げ茶の枠の中に金文字のタイトル、金色の帯に白抜きのキャッチコピー……。正にMichael Colors☆
 本当に、思い通りの出来映えだった。

 手に取ってぐるりと眺める。
 表紙を開く、帯を外して閉じる、再びぐるりと眺める、帯を巻く、目次を見る、中身を読んでみる……。何度繰り返しても実感は湧かなかった。

 確かに手の中に本が在る。
 『彼諭流』というタイトルで《天乃みかえる》が著者だ。
 中身を読めば、既に知り尽くしているストーリー。
 後書きのどの部分を出版用に書き足したかも憶えている。……確かに私の本らしいのに、実感が無い。
 此の手の中に在る一冊は本物に間違いなさそうだけど、此れと同じのが街の本屋さんに並んだり、図書館に置いてあったりするようになるなんて理解出来ない。
 事此処に至って、漸くとんでもない事をやらかして(生き恥をばら撒く、といったような感覚で)しまった事に気がついた。

 でも、散々苦労してやっとカタチに出来たから、家族や支えてくれた友人や恩師などお世話になった方々にお届けした。
 皆さん、一様に喜んで下さって、『彼諭流』の母としてとても嬉しかった。
 ……物凄く難産だったんです。
 臍の緒は絡まってるし、逆子だし。
 気づいたら三つ子だったんです。
 長子以外は未だ胎内に居ますが……。

 未だ頸も据わってない内に旅立って行く『彼諭流』を見送るのは複雑だった。……イジメにあったりしないかしら?「長編ファンタジー」なんて括りに入れられちゃったけど、期待外れだって誹謗中傷されないかしら? 子離れ出来ずにノイローゼになる母親の気持ちが分かる気がした。

 『彼諭流』はファンタジーの括りに入れられて紹介されたが、私も、今まで読んで下さった方々も、どうもしっくりしなかった。
 担当さんにも、
「此れってファンタジーですか?」
 と何度も訊いたが、担当さん曰く、
「今はファンタジーの中にも色々とジャンルがあるんですよ。ホラー・ファンタジーとか時代物ファンタジーとか。『彼諭流』は異次元系ファンタジーの部類ですよ」
 だそうだ。
 ……という事は、『彼諭流』の要素で一番重要視されているのは、「あづみが《天の御教えと宗主の導きの郷》に行って来た」って事なの?
 もしそうだとしたら正直凹む。(後に、「スピリチュアル・ファンタジー」という事で落ち着いたが)

 『彼諭流』の第一部は、三〇三ページから後ろの部分について述べる為、夢で観た三場面を膨らませて紡がせて頂いた物語だ。
 異次元に行かなくても良い方法があったらそうしていたのだけど、あづみの視線に乗っかって旅して頂いた方が内観(名文句「己に尋ねよ」)の疑似体験をして頂き易いんじゃないかと思ったのだ。

 無事二十一世紀を迎えられたから少しは下火になったが、二十世紀末は終末思想で溢れかえり、「今さえ良ければ」と刹那的に、「自分さえ良ければ」と利己的に、「金さえあれば」と唯物的になるヒトが多かった。
 或は漠然とした不安から宗教に走るヒト、精神の豊かさを求めて自己啓発セミナーに出向くヒト、過去や未来に囚われ過ぎて占いやチャネラーをはしごするヒトも多かった。
 私は何方かというと後者のグループに属していたと思う。

 不安や疑問を突き詰めてしまうと、また子供の時からの疑問に辿り着いた。

『何故生まれてきたんだろう?何の為に生きるのだろう?何故此処に居るんだろう?』

 私は『彼諭流』を読んで下さった方々に、生命や人生より『生きる』事に、『今、生きている』事に目を向けて頂いたいと思った。
 読後に感じる、
「面白かったのに何故かモヤモヤする」
 部分に目を向けて、
「達成感に溢れる満足出来る最期への地図」
 を手にしたと気づいて頂きたいと願った。
 少なくとも、
「きっかけ位にはなるかもしれない」
 と確信したから発表に踏み切ったのだ。
 ……括りがファンタジーでもいいから、どうか伝わりますように!

 或る友人は、
「此れがファンタジーか人生論かは読んだヒトが判断すればいいんだよ」
 と言い、また或る友人は、
「青春小説でもあるしファンタジーでもあるけど、私にとっては物語風の哲学書」
 と言っていた。
 ……あとはお任せします。
 どうか受け取って下さいませ!

Cosmos-Michael

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みかえる白書21

 退職から一ヵ月半。
 『彼諭流』の全ての準備が終ったので、漸く職安で手続きした。

 一生懸命働いて来て、成りたくないのに無職になってしまった私には、色んな意味で「此の国は冷たいなぁ」と感じた。

 収入がゼロになった途端、市から年金や保険料の支払い通知が続け様に届き、乏しい財布から羽が生えたようにお金が飛んでいった。
 ……勘違いしないで欲しい。年金や健康保険の仕組みや制度は分かっているし、支払い義務は国民として当然だと思う。
 だがこんなに苦しい思いで支払っているのに、湯水の如く無駄使いされている現実が情けなくて堪らない。
 殆どの場合、担当部署のお偉方の私利私欲や自己防御の為に垂れ流されている。
 其れが国民の血と汗と涙の結晶である事など、どうでも良いように扱われている。
 其れがしみじみ身に染みて、寒々しい思いがして凹みまくった。

 其れに、職安という場所は、凹みに拍車を掛けるような《氣》に満ちている。
 皆さん職探しに訪れている方なので、「必死!」とか「此の先どうしたら……」とか「思ったような収入が得られる適当な職がない!」とか、極めてマイナス側のエネルギーが強い。
 職安に行く際は、引き摺られないように、なるべく明るい色の服を着て行く事を心掛けた。

 五月一日に『彼諭流』の発売開始は決まっていたが、私自身は全くの『無職』だったから「どうやって生活していこうかなぁ……」と凹んでいたのは事実だ。
 何とか失業保険が切れる前に、間に合わせじゃないやりがいのある職が見つかれば良いなぁと思っていたが、かといって、焦って見つけるのに躍起になってもいけないとも思っていた。

 一生懸命求めれば、絶妙のタイミングで道は開けるだろうと信じた。
 もし、物語の紡ぎ手でやっていけるとしたら、其れが一番苦しいだろうけど、一番愉しいだろうぁ……。

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みかえる白書20

 退職して暫くは『彼諭流』の出版準備に専念し、再校作業に没頭した。
 其のクセ実感は乏しくて、「無職になっちまった」感に苛まされた。
 M嬢は、
「長い間ず~っとあくせく働いて来たんだから、少しくらいのんびりしてもバチは当たらないよ」
 と慰めてくれたが、其れ以前に「身体、治せよ!」って事だろうな。
 勿論ボーっとしていたわけじゃなく、体調と相談しながら『唯眞仁』も続けたし、他にも何作か掛け持ちで書いたり、書く為に調べ物をしたり、時間がなくて読めずにいた本を読んだりした。
 こうして徒然なるままに綴っていると、本当に望んでこうゆう事をしたかったのだなぁとしみじみ感じる。
 若くて血気盛んで今よりずっと可能性があった頃に諦めていた事を、自然にやるようになってしまった不思議に戸惑っている。
 書けば書く程私には此の手段しかなく、此の方法を通じて人生の目的を果たしに掛かるのだなぁと感じる。
 其のどれ位が達成出来るかは分からないが、書き表すまでに熟成された感覚は、引き出しの中に仕舞いっ放しにした名無しの感覚が主だ。
 あの時女医に言われた事が、実感出来た。……感受性が豊かなのは、確かに私の才能であり、武器(防具)だと。

 三年掛かりの再編集の際最も気をつけた事。
 あづみには「激しい言葉遣いでも、真っ直ぐな心」
 其の他のヒトには「なるべく美しくて丁寧で、時々難しい日本語」
 そして「漢字の多用」 ……まぁ、漢字の多用には一番賛否両論が激しかったけど。
 其の意図は、調べなくても(多分)『彼諭流』を読むのに支障はないが、漢字の意味の深さと日本語の美しくて艶やかな表現を身につける為にもっと辞書を利用して頂きたい、という願いがあったから。
 美麗で艶やかで外来語を飲み込んでしまう懐の深さが或る我が日本国の言語が、我ら日本国民によって破壊されている現状に危機を感じたから。
 例えば最近流行のファッションに身を包んで人気スポットを闊歩しているイケメンやギャルが、美麗で艶やかな日本語を流暢に話していたらシビレるでしょ?
 「ビシッ!」とする格好良さには美しい言葉遣い、此れキマリ。
 だがそうゆう格好の良さは簡単には身につかない。
 大人気のアイドルが令嬢を演じても何処かチグハグなのと同じだ。
 私は日本語が大好きだ。
 古語には古語の、現代語には現代語の豊かな表現がある。
 言葉の成り立ちには「感動」が大きく関係していると思う。
 此れだけ豊かな表現を表す言葉があるという事は、先達が其れだけ豊かに感じる心を持っていたからだろう。
 よく聞く「かわい~い」「イケてる」「超~何々……」では伝わってくるモノが少な過ぎ、其の場の会話は成立しても交流が続かない。
 ……危機感、ないですか?
 母国で母国語を正しく使っているのに通じなくなる日が来る、っていう危機感ですが。

 もしかしたら、母国で母国語が通じなくなる日より先に来そうなのが、母国に母国民が居なくなる日かもしれない。……深刻な少子化。
 前述したように、私は後遺症による体調不良の為、妊娠・出産の可能性が非常に少ない。
 もし其の機会に恵まれたなら。
 私なら無条件で産む事を選択するが、現状は産まない選択をする、或はせざるを得ないヒトが増えているようだ。
 政府は様々な対策を立てて少子化を食い止めようとしているらしいが、見当違いな気がしてならない。
 日本は有史以来、ほぼ殆ど専制君主的な方法で統治されてきた国だ。民主化されたといっても、其の歴史は一世紀に満たず、「お達しに従う」要素がDNAに組み込まれている民族ではないかと思う。
 戦後、突然与えられた「自由」の使い方が分からず、模索しているうちに六十年が経ってしまったという感じだ。
 戦前・戦中は厳しい規制が沢山あり、子供の躾けも其れは其れは厳しかったそうだ。
 団塊の世代の方々は此の端境期に生まれ育ったわけだが、其の方達が定年を迎えるようになってしまったのだから、漸く戦前の国民的体質が塗り変わったのではないだろうか。
 食品や生活様式、男女の扱い、先に述べた言葉の使い方など、明らかに変わってしまったモノのお陰で気づき難くなっているが、日本人の根本的な性質は変わってないように思う。……そう。「括り」の中が大好きで、其れが無いと安心出来ない性質。
 戦前はお上・戦後はマスメディアから頂く「お達し」に、ついつい従ってしまう性質。
 此の性質のお陰で、「今は○○が△△!」的な流行や、常では無い識を振り回して「そうでなければ××!」のように括りからはみ出させる要素を他者に突きつける。
 ……私は、個人的に此のりに根深い国民性を感じるのだが、皆さんは如何だろうか?
 日本人は、個性を振り翳すのは物凄く難しい民族だと思う。
 「出る杭は打たれる」のが当たり前という認識の枠の中で世代を重ねて来た。
 正しい事を主張するのを煙ったがる国民性があるので、仮令個性を振り翳しても、受け入れられるのはある種の大成功を収める以外ない。
 少子化問題について述べているのに、何故国民性をしつこく語るのかというと、今「生まない選択」をする・或はせざるを得ない方々は、自らの意思で考えてそう決められたのか、疑問に思うからだ。
 其の方達に何故生む方を選択出来ないかと問うと、
「だって、産んだら一千万円でしょ!」
 と答えるヒトが多いとニュースで言っていた。
 ひとり産む度に教育費が一千万円掛かるからとても産めない、と。
 ……其の情報を流したのは一体誰なんだろう?
 或は、
「今の仕事が遣り甲斐があるので、出産してしまうと続けられない」
 というヒトも居た。
「育児に時間を取られると自分の時間がなくなってしまうし、今の生活スタイルを変えたくない」
 と。……子供が居る素敵な生活スタイルを提案出来ないのは、何故?
 産まない選択をしているヒト達とは対照的に、保険も利かず、大変な痛みに耐えねばならないのに、必死になって不妊治療を続けるヒトも居る。
 此のヒト達は「ひとり産んだら一千万円」とか「ライフスタイルを変えたくない」とか思っているのだろうか?
 ……まぁ、全く頭に無いとは言えないだろうけど。
 其れよりも、授かるか授からないかの方が大事なのだろう。
 生まない選択をするヒト達を、どんな思いで見ているのだろう。
 せめて、計画なく生まれてしまった子供が、キッチリ育つような政策は立てられないものだろうか。
 孤児が、孤児にならずに育つなら、其れに越した事はない。
 あまり詳しくは知らないが、他国ではは里親制度が成り立っている処もあるようなので、参考にしては如何だろうか。
 子供が出来なくて、タイムリミットぎりぎりまで頑張っても子宝に恵まれなかったヒトが、其れが「自分の腹を痛めた子」ではなくても、親子として生きていく手段がもっと易しく得られたら。
 例えば、ビニール袋に入れて死後何年も経ってから捨てられるような子供を減らす手段にならないだろうか。
 或いは、若年で堕胎経験を持った為、妊娠出来難い女性を減らす事にならないだろうか。
 日本国国民を此れ以上減らさないようにするには、少なくとも一カップルに二人以上の子供が生まれる必要があるのだから。

Cosmos-Michael

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みかえる白書19

 其の他の事は、此処が本当の試練の幕開けだった。
 先ずは、保険会社。
 追突事後の三日後から、相手の担当者の脅しのような電話に苦しんだ。
 信号待ちして居た処への追突の為、百ゼロで相手の過失だった。
 相手は職業運転手。
 生前、父も同じ仕事をしていた為、私は情けをかけて相手を免停にしなかった。
 過失を充分反省して、怪我した私に誠意ある対応をしてくれれば其れで良いと思ったからだ。……なのに、代理人の保険会社が其の態度。
 勿論私は一刻も早く元気になって、職場復帰して、愉しく毎日を送れれば其れに越した事は無かった。
 だから(パニック症候群に震えながら)毎日治療に通ったし、一生懸命リハビリした。
 処が保険会社の担当は、
「未だ治療に通ってるんですか?」
 とか
「何時になったら職場復帰するんですか?」
 とか、
「働きだせば気も晴れますよ」
 とか、
「一円でも多く取ろうとしたって魂胆は見えてますからね!」
 とか言うわけだ。
 此方は毎日治療に出掛けるのも大変な状態なのに、
「会社を休んでいるからって遊びまわって良いって事じゃないですから」
 とか、
「本当にそんなに具合が悪いのか調べる事も出来るんですよ」
 と。……本当に頼りになる担当だね。
 業界大手の保険会社が被害者にこんな態度を取るなんて、御社の理念を疑うよ。
「調べたいなら調べりゃいい!あんたのお陰で加害者のヒトにまでヘンな感情持っちまう処だったじゃねぇか!あたしゃ治ればいいんだよ!元の身体に戻してくれりゃあ、なんも文句はねぇんだよ!」
 ……と、橋元あづみなら言うだろうか?
 前の事故での後遺症には二十年以上苦しんで来た。
 前の事故の時は歩行者だったから、ダメージも大きかった。
 やっと普通の生活をしても無理ないようになった処だったし、漸くパンプスを履いておしゃれを楽しめるようになった処だった。だから、一番のダメージは心理的なものだった。……また、一からやり直さなければならない。
 何より辛かったのは、
「もしかしたらひとり位は出産出来る身体に戻ったかも」
 と喜んでいたのに、此の事故で其の可能性が消えた事。『雌』の機能をほぼ完全に諦めなければならなくなった事だ。
 此の先十年掛けて治したとしても、奇跡が起きなければ間に合わない。
 其の事実に耐えられる気力を削り取るような暴言の数々に、思わず包丁を握った。
 もし今まで述べたような生き方を選んでなかったら、此の身体から離れる道を選んだだろう。……事実、包丁持ったりしてしまったし。
 もう充分だ、もう、もう充分だ!と思ったし。
 もし生まれ変わる機会を頂けるなら真新な身体でやり直した方がましだと思ったし、やり直せなくても、此の体の辛さから解放されるなら消滅しても良いとさえ思った。

 其れでもちゃんとサポートが得られた。……《天》はもっと学べと仰りたいらしい。
 兎に角、M嬢との電話と夢に来てくれたヒトのお陰で、リタイアは思い留った。

 辛くて、身体中痛くて、眩暈がして気持ちが悪くて、食事をしても直ぐもどして、耳鳴りは治まらず、視界が揺れ、箸やペンさえしっかり持てない。……『彼諭流』に携わってなかったら、本当に死んでいたかもしれない。
 本当に危険な状態だから、分かり易いサポートが得られたんだろう。
 ……守護霊様、有難う御座居ました。ご苦労掛けました。

 だが試練は続く。……次は職場。
 治療を続けながら『彼諭流』の再編集が終わり、投稿後に職場復帰したのだが、『私』が『身体』と分離しているような感覚が常について廻っていた。
 思い通りに動けない。
 視界が狭いし揺れている。
 右耳と右目には針が刺さったような痛みが続き、右手に力が入らない。
 首・背中・腰まで痛くない処が無く、集中力が落ち、物事を憶えていられない。
 運転して職場に通うだけで精一杯だった。
 ……でも、早く慣らさなきゃ。年末商戦が控えている。
 其れに、此のまま体調が戻らなければ、辞めさせたいと思う輩の《氣》も感じる。
 ……事実、
「他の会社にいかれたらどうですか?」
 と役員に三回も言われたし。

 出社一時間半前に治療に通い、一時間弱の運転をし、一日仕事をして、また一時間弱の運転をして帰宅。
 ……クタクタだった。
 治療しないと座ってさえ居られない。
 でも治療をすると睡眠時間を削らなければならない。
 快復の兆しは見えなかった。
 事故による体調不良と蓄積される疲労との闘いは、正に、肉体的自転車操業状態だった。
 せめてもう少し体調が快復するまで(以前勤務していた)自宅に近い職場に配置して貰えないかと相談したのだが、通勤途上とはいえ、
「会社には全く非のない事故だから」
 其れは出来ないとの事だった。……つまり、
「通えないなら辞めろ」
 って事か?
 二月頭から四日間休みを取った。
 体調不良で休む日もあったので心苦しかったが、『彼諭流』の校正作業をしなければならなかったので。
 此の時点では、ごく一部のヒトにしか出版の事を話していなかった。

 初校作業が済んで出社すると、上司から、
「見るからに体調が良くならないので、会社の決定で、勧奨による退職という事で、二十日付けで退職して下さい」
 と言われた。
 ……「退職して下さい」って事は、どう考えても「クビ」じゃんね?
 勿論会社側はそんな事はお構い無しだ。
 会社側の都合で退職したように離職票には書かれていたけれど、頂いた退職金は就業規則通り(会社都合の)とは思えなかったし、法に触れる恐れのある十五日分の給与も頂けなかった。
 だって、私は辞表も書いてないんだから!
 どんなに巧みに説明されても「辞める意思なく辞めさせられた」と思っている。
 其れに「そんなバカな事は無い」と思ったのだけど(退職後に調べたらやはりそんな事は無かったけど)「労災がつかえない」と言うのだ。
 其れで、「此れ以上休職させられないので、身体を治す為に辞めて下さい」と。……って、私の生活はどうなるの?まるっきり非の無い事故で、無職無収入になれっての?
 会社側にとっては、其れは「加害者が面倒見るのが当然でしょ」だそうだ。
 そんな理由で、私は無職無収入になるよう追い詰められた。
 何をどう言い訳されても、私に退職の意思は無く、解雇と同様に追い詰められたと思う気持ちは変わらない。……まぁ、此れも《天》のカリキュラムの一貫なのだろうけど。

 退職すると、直ぐに保険会社が弁護士を入れて来た。……調停に持ち込む、と言う。
 通院先の先生にも裁判所から書類が届き、
「何を訴えたの?」
 と聞かれたから、
「知りません。保険会社が一方的に弁護士さんに丸投げしたみたいです」
 と答えた。
 事故から退職に追い込まれてしまった為、一円も出したくない方向に動いたのだな、と思った。
 でも、大事なのは私が体調を取り戻す事じゃない?
 私だって、身体を直して、一刻も早くあちらと縁を切りたいのだから。
 私が契約している保険会社に聞いてみたら、被害者に対して加害者側から調停に持ち込むなんて話しは「聞いた事もない!」そうだ。後でどんなクレームになるかを考えたら、担当者のクビも含め、「絶対しない!」と言い切った。
 まして、私は治療中だし。
 私には全く非の無い事故だ。
 交通法規を守って赤信号で停車し、車間距離に余裕を取っていたので前の車にぶつからずに済んだのだし、車に羽を生やして飛んで逃げないから悪いのだとでも言うのだろうか?
 ……何故こんな目に遭うのだろう?
 起った事を嘆くより、其方の方が気に掛かる。
 体調は最悪で、社会的な括りからは放り出され、加害者側の保険屋とは揉める。
 其の一方で、物語を書き始めてからの三十三年来の夢が、『彼諭流』の出版というカタチで叶ってしまう。

 ……《天》は、何を学べと仰るのだろう?

Cosmos-Michael

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みかえる白書18

 平成十七年十一月十一日(ゾロ目の数字は、個人的に可成重大な意味がある)金曜日。
 『彼諭流』の書き直しが完了した。
 其の日の内にプリントアウトしてM嬢に送り、其の足で書店に行くと、『公募ガイド』を見つけた。
 早速買って捲ると、私の大好きな鮮やかな朱赤に白抜きで、
「文芸社があなたの原稿を本にします」
 と書いてあった。……迷わなかった。
 もう一度原稿を見直して(眩暈と闘いながらだった為、誤字脱字だらけだった)出来るだけ訂正して、プリントアウトして三冊のクリアファイルに収め、荷造りした。
 十二日の土曜日。
 ドキドキしながら宅急便に原稿を預けた。
 『公募ガイド』に書いてあった通りなら、二週間程で何等かの結果か出るだろう。
 ……出版のプロの目に、『彼諭流』はどんな風に映るんだろう?
 本に纏めるだけの価値があると思って頂けるだろうか?
 此の時点では「出版」其のものの仕組みが全く分からなかったから、
「どうやったら本に成るのかなぁ、本にして貰えるのかなぁ」
 くらいの気持ちだった。
 十三日は日曜日。
 もう『彼諭流』の事は《天》に任せ、『唯眞仁』に取り掛かった。
 仮令本に成らなくたって、元々三部作。
 私の中から取り出して、書き上げて、身軽になって、読んで愉しみたかったから。……ちょっとだけ、不安な現状を忘れたいって気持ちもあったけど。
 十四日の月曜日。
 何時ものように朝一番で治療に行き、帰ってから朝食を取り、小休止してからパソコンを立ち上げ、『唯眞仁』に取り掛かる。
 十二時半位から四十分の昼休みをとり、其れからまた『唯眞仁』。
 四時少し前になって小休止しようと思った時、電話が鳴った。……文芸社から!
「どうもご丁寧なお手紙を添えて、大切な原稿を送って頂いて有難う御座居ました」
 出版企画部の担当の方が、確かに原稿を受け取りましたという確認の電話だった。
「今読ませて頂いてるんですけどねぇ、面白いんですよ。真面目に考えさせて頂きたいので、暫く原稿をお預かりさせて下さい」
 良かった。兎に角「チラッと見てダメだこりゃ」という感じではないらしい。
 難産だったけど「彼諭流』を生んで本当に良かった」と思った。
 ……嬉しかった。読んで面白いと言って頂けるだけで嬉しかった。
 私の事を何も知らないプロの方が、『彼諭流』の何かを面白いと感じて頂けた。其れが素直に嬉しかった。
 だが心臓がバクバクして、シドロモドロな受け答えになってしまった。
 其の後も、治療と『唯眞仁』に毎日を費やした。
 身体の調子は一進一退。
 天気や気温だけじゃなく、微妙な体調の変化でさえ症状を重くした。
 でも、此れ以上休んで会社をクビになったらシャレにならないと思ったし、会社側からそんな事を匂わす言い方をされた所為もあり、未だ不安はあったのだが、十一月二十一日から仕事に復帰した。
 翌二十二日付け(意味あるゾロ目の日付)で文芸社からお手紙を頂いた。
 受け取ったのは二十三日。
 二週間は掛かると聞いていた結果が、なんと一週間で出てしまった!
 頂いたお手紙を何度も読み返した。
「私の拙い技術で綴った『彼諭流』を此処まで読み込んで頂けた」
 と感激で震えが止まらなかった。
 こんなに褒めて頂いた記憶は此れまで一度としてなかった。……まぁ、褒めて頂いたのは私個人ではなく『彼諭流』だったのだけど。
 「出版」の仕組みが全く分かっていなかったから、兎に角、
「本に成れば良いな」
 としか思っておらず、
「全国規模で出版したい」
 と書かれているのを見て、暫くポカンとしてしまった。
 ……全国規模で出版って事は、私の『彼諭流』が街の本屋さんに並ぶって事?そんでもって、図書館なんかにも納められちゃうって事?
 ……其れって、物語を書き始めてから三十三年来の、私の夢が叶っちゃうって事じゃない!
 何をどうして良いか分からず、担当の方に電話をした。
 そして、本当に色んな事を話した。
 『彼諭流』が誕生した時、今の私の状況と体調、数々の神秘体験、父の病気と死……。
 担当の方は丁寧に話を聞いて下さり、一生懸命私の背中を押して全国展開の出版を促して下さった。
 早速M嬢にご報告。そして、互いに狂喜乱舞☆
 そして運命の二十四日。……とてもとても特別な日。
 此の日付で、文芸社の担当の方から『此れでもか!』という後押しのお手紙を頂いた。
 翌二十五日に其の手紙を受け取った時、
「あぁ、《運命》なんだな」
 と思った。
 其れでも尚、私のヘタレな部分が抵抗し、
「夢なんて、叶っちゃいけないんじゃない?」
 と囁いた。
「全国規模で出版なんかして、恥をバラ撒くようなモンじゃないか!」  と。
 でも、
「特別な日付けで『此れでもか!』って勧められてるんだから、やっぱり《運命》なんだよ」
 と主張する部分も居た。
 私は此の部分を味方につけ、出版を決めた。
 あとは担当の方に逢って、其の波動とオーラを観て、此の方にお任せするかどうかを決める事にした。
 十一月二十九日。
 高速バスで新宿に向かう間中、
「大丈夫、大丈夫」
 と震える両手を組んで祈ってた。
 治まりきらないパニック症候群が怖い(間違いなく怖かった)のか、夢でしか観た事のない見えない未来が怖いのか、半々だった。

 文芸社に着いて、担当の方にお逢いした。……本当に色々な事を話した。
 同世代の私達は、影響を受けた文化がとても近かった。
 愛と平和の革命家の事も、美声の天才的な芸術家の事も、リアルタイムで知っていた。
 其れがどれ程「個人的な拘り」であっても、其の思い入れの程度が想像出来た。
「此のヒトなら『彼諭流』を、可愛いウチの長男を預けられる」
 素直にそう思った。

 私は漸く此の出版を《運命》だと納得し、其の場で契約した。
 こんな決心をこんな短時間でしてしまうなんて、ヘタレで意気地無しの私にしては可成大胆な事だ。

 ……此れこそ、『彼諭流』に纏わる最大の《奇跡》だろう。

 『彼諭流』については、思った以上にサクサクと物事が運んだ。
 御手洗峡で触れた、
「あとは踏み出すのみ」
 という意識は、こうなる事を御存知だったのだろうか。

Cosmos-Michael

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みかえる白書17

 『彼諭流』の出版は《奇跡》の連続の賜物だった。どれ一つ無くても、出版には至らなかったように思う。
 物事に偶然はないが、必然が此れだけ揃うのもどうかと思う。

 『彼諭流』生まれたのは、平成九年の一月九日の早朝。
 其の時夢で観た三場面を、膨らませて書き上げた。……そう、余りにも「勿体無く」て。
 書き上げてから約九年間。友人達の手を介し、十代~六十代、総勢五十人程のヒトに読んで頂いたのは述べた通りだ。
 私自身にも分からない「勿体無い何か」は読んで頂いたヒト達にも伝わったようで、「もう一度貸して」という方も居たし、「○○さんに読ませたい」と次のヒトへ回して下さる方も居た。
 だが、所詮私の書いたモノ。
 私の友人から回っていったモノだから、読まれた方達は好意的な感想を下さったけれど、本屋さんや図書館に並ぶような形に整えられる日が来るなんて想像もしていなかった。……というより、私の書いたものなど、友人の手を介さなければ受け入れられる筈ないだろうと思っていたし、知らない方に読んで頂くのが恥ずかしかった。……書き殴った文章は、私の生き方と同じ位メチャクチャだったから。
 最初の原稿を書き殴ったワープロが壊れてしまったので、平成十五年の秋頃からパソコンでの書き直しを始めた。 書き殴った恥ずかしい文章を読みながら。
 休日の、しかも疲れていない日で、書いてもイライラしない心理状態の時を選んで。……だから、書き直しは丸三年以上掛かった。

 平成十七年の九月。夏休みを過ごしに奈良県の天川村を訪れた。
 もう十年以上通っている此の村は、私にとって第二の故郷のような処。
 仕事で疲れ切った身体と心を癒してくれる最高に大好きな聖地だ。
 何時もの宿、何時もの散歩道、何時もの温泉。
 少し足を伸ばせば、大自然が創り上げた素晴らしい渓谷・御手洗峡も在る。
 前日の午後から雨が降ったので、御手洗峡は水量も多く、真っ青な空に浮かぶ太陽の照り返しを和らげてくれる、天然クーラーのようだった。
 寝転べる程大きな岩の上に木々が影を創り、風と水音と木の葉の音に包まれて、久し振りに心地良い瞑想をした。
 空間に身体が溶けていくような、全てのモノと同じになるような、全てが無くなっていくような感覚が訪れて、
『出来る事は既に《識って》いる。あとは踏み出すのみ』
 という意識に触れた。
 目を開けた時、
「あぁ、『彼諭流』の事を言っているのだな」
 と思った。
 世に問う時が来ているのに、そうする事が出来ない私の弱さを言っているのだな、と。
 宿に帰ると、宿のおっちゃん(親しみを込めてそう呼ばれているヒト)に、
「おまえは、何時になったら本を出すんよ?」
 と聞かれた。
「其の内」
 と答えた。……其の内って、何時よ?と、自分に突っ込みたい気分だった。
「処で、おまえは何時も車を綺麗にしとるけど、何処ぞに擦ったりした事はないんか?」
「ないよ。気をつけて乗ってるし、此処に来る度神社で御祓いして頂いてるし」
「そうか。ほな気ィつけて乗れよ」
 なんと、天川から帰った三日後に接触事故。
 部品調達に思いの外時間が掛かった為、愛車は一ヵ月半程入院した。
 私は無傷だったが、愛車を傷つけたショックで熱を出し、二日間寝込んだ。……なんてヘタレな意気地無し。……其れより驚きのおっちゃんの《先観》!

 其れから一ヶ月も経たない内に、愛車を入院させた修理屋さんの代車(軽自動車)で通勤中、赤信号で停車していた時にトラックに追突された!
 今度は無傷というわけにはいかなかった。
 首が動かず腰も痛めハンドルを握り締めていた両腕打撲、右目の視界が揺れて眩暈と吐き気に襲われ、二ヶ月近く会社を休まなければならなかった。……おっちゃんの《先観》、恐るべし!

 最悪だった。毎日治療に通った。独り暮らしで頼る者も無く、自ら運転しなければならなかった(落ち着いて考えれば、タクシーで通院して相手に請求すれば良かった)が、軽い(と医者は言ったが、本人にとっては軽くなんて無かったぞ!)パニック症候群で車の中が恐ろしく、乗ってからエンジンをかけるまでに三十分は掛かった。
 食料品の買出しも辛かった。
 なにせ牛乳一リットルが持てない。怖い思いをして漸くスーパーに辿り着いても、カートが空いてない時は其のまま帰るしかなかった。
 職場や保険会社との遣り取りでもダメージを受け続けた。
「もう嫌だ!」
 と包丁を取り出した事もあった。……結局、後に仕事は辞めざるを得ない事態に追い込まれた。

 『人生なんて実に曖昧なものだ。生きている実感など、たまにしか味わえない』

 私は久し振りに生きている実感を味わった。
 皮肉な事に、「もう嫌だ!」と、其の実感を手放したくなる状態で。

 でもね。《奇跡》って起るんだよ。

 仕事を休んで二週間が経った頃、何もする事が無いと《死》の方ばかり向きたがるから、『彼諭流』の書き直し作業の続きをさせる(ミケの意識がミケの身体に命令したように感じたから)事にした。
 首は動かない、腰は痛い、眩暈と吐き気で画面を見ていられない、おまけに右手も思うように動かない。……本当に最悪だった。
 でもそんな中で書き直しをしたから、最初に感じた「勿体無さ」に近づけたのかもしれない。
 作業を続ける内、次第に「人生は失敗や挫折を愉しむ舞台だ」と思えて来た。
 穴の空いたバケツだから、こうやって修復作業をしているんだ、と。
 五体満足でなくても輝く毎日を送っているヒトだって沢山居る。最先端の職場で働いていなくても、ほっこりした笑顔で周囲に喜びを与えているヒトも居る。
 自らが選んで来た此の身体は今生の乗り物で、何時か離れて還って逝く処が在るんだから、もしそう出来るなら、身体の痛みすら愉しめばいいんだ、と。
 頭で分かっていても、実際にそう思うのは難しい。
 一日数ページしか進まない『彼諭流』の書き直しに、仕上がる日は訪れるのだろうか?

 だが。《奇跡》は様々な連鎖を起こす。

 十一月に入って、本田美奈子.さんが亡くなった。私の父と同じ『白血病』で。
 其の細い身体と可愛らしい姿の何処から出るのかと思わせる素晴らしい歌声で多くのヒトを魅了した歌手であり、将来が期待されたミュージカル女優で、私も大好きだった。
 本田さんの事を語る時、多くのヒトが「天使のような」という言葉を口にした。
 素晴らしい歌手兼女優が此の世を去ってしまったのは寂しく哀しかったが、彼女が《天》意を汲む器となって、其の全ての行を修めきって、《天》の大歓迎の中、大いなる意識の元へ還って逝ったのではないかと思っている。……物凄く、残念だけど。
 生前のインタヴューで「チャレンジがチャンスを作るんです」と語っていたのを聞いて、チャレンジさえしない自分が恥ずかしくなった。
 ……此のままでは、何時まで経ってもゼロなのだ。
 御手洗峡で触れた「あとは踏み出すのみ」という意識に突付かれた気がした。
 此の身体でいる内にチャレンジしなければ、何も進まない。
 もっともっと沢山やりたい事があったのに、還って逝くのは辛かったに違いない。
 そう気づかせて頂いたのだから、出来る努力をしなければ、折角塞いだバケツの穴を空け直すようなモノだ。
 父と同じ『白血病』で亡くなられた事が、私にとって強いメッセージになった。

 本田美奈子.さん、美しい人生を有難う御座居ました。
 心からご冥福をお祈りします。

 そんな彼是をM嬢に話した。そして、何とかして『彼諭流』を発表したい意志を告げた。
「もぉ~っ!だからず~っと出版しなって言って来たんじゃ~!気づくの遅過ぎ~っ!」
 M嬢の超~前向きエネルギーを分けて頂き、箱入りムスコを此の世に送り出す決心が固まった。
 あとは眩暈や吐き気に負けないで、仕上げてみせるだけ!
 ……とはいっても、元来意気地なしの私は何度も悲鳴を上げた。
 辛い!痛い!辛い!痛い!気持ち悪くて気持ち悪くて吐く為に食べた。
 でも今でなくちゃ『彼諭流』のメッセージを正しく込めて仕上げられないだろう。だから、頑張る。頑張る。頑張る!
 治療を続けながら一日八時間。途中昼に四十分、三時半から二十分の休憩を取って、毎日毎日頑張った。

 其れに。《奇跡》は思わぬ助力もくれた。

 もう此の世に居ないヒトが、夢に四回来てくれた。
「最期まで生きようね、みかえる」
 此れは、包丁を持った夜。
「一個ずつしか事は片付かないよ、みかえる」
 此れは、職場と保険会社両方と揉めた夜。
「君になら出来るよ、みかえる」
 此れは、こんな体調で仕上がるだろうかと凹んだ夜。
 そして『彼諭流』を出版しようと決めた夜。
 君は何も言わず、ただ笑って頷いてくれた。 
……有難うね、F君。
 お陰で『彼諭流』は完成し、準備は整った。

Cosmos-Michael

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みかえる白書16

 数年前から、私は自分を「穴の空いたバケツ」だと思うようになった。一生懸命水を汲んでも其の殆どが零れてしまう、役立たずのバケツだと。
 其の感覚を受け入れた時、物凄く悔しくて、物凄く嬉しかった。
 物凄く悔しかったのは、私は自分の事を「其れなりに完成された存在だ」と思っていたからだ。其れが驕りであるのも知っていた。でもヘタレの意気地無しだから、其の部分を見たくなかった。
 自分の弱い部分や劣った部分を全部隠して完璧を装いたかったし、出来ない自分は許せなかった。
 だがどんなに許せなくても、出来ない事は出来ない。其れを受け入れるのが悔しかった。……受け入れてしまった後は、此の悔しさが原動力になっているのだが。
 物凄く嬉しかったのは、「やった~!未だ未だいっぱい成長出来るって事だぁ~!」という、私の中の現状に満足してない貪欲な部分だった。少しずつ出来ない部分を受け入れて、至らぬ処を直したり、出来る努力を重ねたりしていく自分を励まし続けた。
 だが此の部分は常に恐れを抱えていた。
 段々出来るようになっていって、成長する部分が無くなっちゃったらどうしよう?と。……そうなると面白いモノで、重箱の隅をつつくように出来ない部分を見つけては、未だ未だ成長出来ると喜ぶ。
 此の悔しいと嬉しいの葛藤は今も続いている。もう完成されてると思いながら、もっと成長したいらしい。
 何時かは悔しがってた部分が歓喜を上げ、嬉しがってた部分が降参するのを期待しているが、何方が欠けてもバケツの修復に支障を来すように思う。

 勿論私は聖人君主じゃないし、間違いも沢山犯したし、失敗もした。今も毎日失敗し続けてるだろう。誰かに「ミケの悪い部分は何処ですか?」と訊ねたら、とんでもなく沢山の御指摘を頂くだろう。
 其れを恥ずかしいとか指摘されたくないとか誰にも見破られるものかと意識して、張子の虎を演じている内は本当に疲れた。……いいのよ、未完成で。
 人生は『其れなりに完成されたものでなくてはならない』と、変な定義の中に自分を縛り付けていた。だから精神世界について色んな本を読み漁り、すっかり頭でっかちになっていた。
 でも頭でっかちになっているのと、受け入れて理解するのとは違う。色んな本を読み漁って掻き集めた知識を、消化して吸収し、昇華してお還しするには圧倒的に足りないモノがあった。……そう、経験が。
 身体が在る内の方が行が進むのは、身体が無いと出来ない様々な経験を重ねる事が出来るから。
 暑い寒い、美味しい不味い、痛い心地良い、硬い軟らかい、ざらつきや滑らかさ、押される引っ張られる、熱い冷たい、窮屈と緩い、甘い辛いしょっぱい苦い、凝る解れる、肉が盛り上がる、歯が抜けて生える……、「体感」だけでも物凄い量だ。
 此れに感情が加わったら、経験出来る事にキリがない。……本当に、身体が在るって有難い。
 私の場合、事故の後遺症のお陰で体感出来る事の経験値は健康なヒトより多いのかもしれない。
 けど、此処まで述べて来た事からも分かるように、関係性の経験値が物凄く低い。
 ……お気づきの通り、特に「恋愛関係」。
 多分此れも今後の課題になるのだろう。少なくとも一度位、人生を共にしたいと思う相手に巡り逢いたいモノだ。……良太のように。
 此処まで生きて来られたのは、勿論一生懸命歩って来た自分の努力の結果ではあるが、成長に御助力頂いたのは、出逢って下さったひとりひとりのお陰だ。
 愛してくれた方、憎んでくれた方、喜ばしてくれた方、悔しがらせてくれた方、良い感情を抱かせてくれた方、悪い感情を持ってしまった方、ひとりひとりのお陰だ。嬉しかったり、哀しかったり、悔しかったり、喜んだり、辛かったり、満ち足りたり、色んな感情を味わわせて頂いたけど、様々な方法で私の人生に係わって下さった方達が居て下さったからこそ、私の人生はこんなに豊かでごちゃ混ぜで、愉快で愉快で仕方がないのだから。
 此の先もっともっと色んな経験を積んで、其の全てを昇華出来た時、今はモヤモヤしているものさえ全て感謝になるだろう。どんなに良い知識を得ても、どんなに立派な教えに触れても、自らが経験して消化吸収し、昇華出来なければモノにはならない。
 其の時全てが感謝になり、行のひとつが修められるのじゃないだろうか。

Cosmos-Michael

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みかえる白書15

 私は確かに分かりにくい存在だと思う。
 他の誰とも似ていない、全然違う存在だ。
 本当は此の世のヒト達全てが、全然似ていない誰とも違う存在なのだ。
 だが其れでは落ち着けない育ち方をして来てしまったヒトの、何と多い事か!
 漠然とした価値観と、漠然とした幸福感。何かと比べないと自分の立ち位置が分からないように仕組まれた社会。無駄で無意味なルールを作り、片っ端から破ってみせて、其の度眉を顰めなければならない矛盾。……そんな中でどうして健全に過ごせるのだろう?
 どうして其の括りの中でしか、安全に歩けないように刷り込まれてしまったのだろう?
 見えない括りに苦しんで、手足が自由に伸ばせない。括りを創ったヒト達より今の子の方が大きいし、手も足もずぅ~っと長いんだ!括りが『無い』事に気づけずに、抜ける手段のない子等は、片っ端からルールを破り、反抗心を剥き出しにするしかない。
 だから、私はラッキーだと思う。物凄く生き難い此の世を泳いで来たけれど、『普通』が無い事を識ったお陰で、此処までの人生の半分近くを括りに縛られずに過ごせたから。物凄く生き難くても、括られて生きるよりずっと良かったと思えるから。

 生まれて来る前を憶えている子供が増えているらしい。
 実は私も憶えている。此の身体に入る前、此の身体を選んだ事を憶えている。だからどんなに此の身体が不満だと駄々を捏ねても、選んだ時の事を憶えているから溜息しか出ない。そして駄々を捏ねる自分が情けなくなる。
 今生の乗り物である身体、取り巻く環境、家族関係などは《宿命》なのだそうだ。
 《宿命》なんて聞くと『自らの意志じゃどうにも出来ない事』のように思えるが、実際は自分の意志丸出しで選んで来たモノのようだ。身体を選んだ記憶がある以上、何かに無理矢理乗せられて此処に居るんじゃないのは確かだろう。
 其れに、自らの意志丸出しで選んだ身体は、今生修める行に一番馴染めるように創られていて、其々が学びたい事を精一杯学べるように創られた身体を選んでいるのだ。少々気に入らない処(PDが広いとか、下半身がデカイとか、やたら猫っ毛だとか)が有ったとしても、其れさえ学びに通じているらしい。誰に分からなくても、自分が分かっていれば良い。此の身体も此の性格も其れ等を取り巻く状況も、全ては今生の行の為に選んだ『乗り物』であって、『自分』じゃない。
 私なりに纏めると、「人生」は、旅の出発点から目的地までを過ごした時間。「生きる」は、今生の器である身体に乗って出発点から目的地までをどんな風に過ごしながら進んでいくか、という行為。「生命」は其の旅に必要な燃料。となると、今生の器である身体は単なる『乗り物』で、其れに乗っかっているのが『自分』だと分かる。……ほぉら!やっぱり身体は『私』じゃ無い!

 なら、何故此の身体で此処に居るんだろう……?

 『彼諭流』のあとがきにも書いたが、私は交通事故の後遺症と闘っている。二十一歳の時のと平成十七年の時のと、二回分(二回目の事故で過去の分がぶり返してしまったから)の後遺症だ。彼方此方痛いし眩暈はするし、雨雪関連の天気予報は気象庁より正確かもしれない程敏感だ。……決して歓迎出来る状況じゃない。
 でも、もし此の身体でなかったら『彼諭流』は生まれなかったかもしれない。もし父が『白血病』で亡くなっていなかったら、もし母が病気がちでなかったら、もし伝説的な愛と平和の革命家が銃弾を受けなかったら、もし大好きな芸術家が『AIDS』を発症しなかったら、『彼諭流』は生まれてなかったかもしれない。
 私にとって『彼諭流』の誕生は、頂いた《宿命》を何とか歩って来た途中経過のご褒美のようなモノだ。
 此の「何とか歩って来た」道筋を《運命》というらしい。有り難い事に《運命》は、此の身体で旅をしながら、自ら選んで紡いでいけるモノなのだそうだ。……だとしたら、此の先色んな展開が望める可能性がある。此れまでの人生が上手くいってなかったとしても、愉しく生き切る可能性がいくらでもあるって事じゃないか!

Cosmos-Michael

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みかえる白書14

 『彼諭流』は初めて沢山のヒトに読んで頂いたお話だった。書き上げてから発表するまでの九年間に、十代~六十代、総勢五十人程のヒトに読んで頂いた。
 M嬢からは「何とか出版しようよ」と言われるし、読んで下さった方達から「出版は何時?」と聞かれる。……へタレな私にそんな度胸があるわけないでしょ!
 そう。誕生から九年間もクリアファイル三冊を手渡しするカタチで読んで頂く以外なかったのは、私がヘタレの意気地無しで投稿する度胸が無かったから。だって、此の私に夢が叶う幸運が訪れるなんて、そんな時が来るわけないでしょ!……小説じゃあるまいし!

 私は『彼諭流』のパワーを全く信じていなかった。『彼諭流』其のもののパワーじゃなく、「私から取り出された話」としてのパワーを。私自身の内側が芋蔓式に出てくる「表現したいモノ」が、何等かのパワー有るモノだとしても、一般の方々に受け入れられるわけがないと思っていた。……読んで下さった方々の貴重な感想を無視して!

 実は『彼諭流』を書き上げた翌日から新しい仕事に就いた。宝飾品や高級時計を売る接客業だった。……対人恐怖症の私が接客業?……激しく無茶な選択だった。
 処がどうゆうわけか、今までで一番長く此の職に携わる事になり、入社数年後には役付きにもなった。……《天》は、「ヒト嫌いを克服せよ」とでも仰るのか?
 扱うモノがモノだけに憶えなければならない事が沢山あったし、顧客も確保しなければならなかったから、可成勉強した。会社で行うのとは別に、大枚を投じて自主的にセミナーに参加したりもした。……ヒトと係わらなければ成長出来ないんだよ。正論だけで物事は動かないんだよ。……様々な実体験が出来たと思う。
 仕事は面白くて遣り甲斐はあったが、思うに任せない事も多く、明らかに改善した方が良い事を其のままにする企業体質(日本特有の変化を嫌う体質)に馴染めなかった。でも、歯痒い思いをしながらも、出逢うお客様との遣り取りには沢山の学びが溢れていた。上司や同僚とはぶつかり合いの連続。「絶対正しい!」の信念があったから、絶対意見を曲げなかった。……頑固なのは父譲り。一生懸命やってるから尚更退けず、余計な衝突を生んでいた。だから、どれだけ売り上げを伸ばしても、社内の評価は下降路線を辿っていた。

 今思い返しても、私は「お客様には全力投球」という感じで接していたのだが、上司や同僚に対しては本っ当に頑固で、石頭コチコチで全く融通を利かせなかった。此の辺りの立ち回りの悪さは今後の課題かもしれない。未だ未だ学びは続きそう。……だから人生は面白いのだけど。

 色々あったけど、其の全てを昇華出来て、いつか感謝に変えられるようになりたい。

 感情や思想の行き違いから、M嬢と暫く疎遠になった事があった。
 彼女は、私が「分からない」と言っていた。
 以前は、私も私の事が分からなかった。皆とは違う事は分かっていたが、どんな風に違うのか分からなかった。「違っている」という事は「間違っている」という事じゃないが、「一般的でない」という其れだけで、充分はみ出してしまうのだけど。
 或る日彼女が電話をくれた。「貴女の事が分かった」と言った。……正確に言うと「貴女の事が何故分からないのか、分かった」と。そして、『インディゴチルドレン』という本を送ってよこした。「読んでみて。貴女の事が書いてあるから」と。
 此れが難解だった。例の『大いなる大河』とかいう本を読んだ時と同じ感覚で、文字を追いかけるだけでヘトヘトになった。でも、『インディゴ達からのメッセージ』という章に入った時、突然スラスラと読めた。そして、「私、何時こんな事を書いたんだっけ?」と思った。何故なら其処に書いてある内容は、『私』其のものだったから。
 私は、M嬢が言わんとしている事が漠然と理解出来た。
 私は『インディゴ』と呼ばれるグループに属する子供が世に出る二十年も前に生まれていた。今までの一般的な括りに納まらない子供達が研究対象にされる、二十年も前に。
 勿論自分が此のグループに属しているかどうかは分からないが、『インディゴ』が此の世に紹介されているのを知ったお陰で、M嬢は私の事が「何故分からないか、分かった」し、私は此のまま成長し続けて良いのだと安心する事が出来た。……『普通』という括りの中でいて苦しんだのは私だけじゃない。

 『普通』という括りが、いかに無意味で不自由なのか、再確認する出来事だった。

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みかえる白書13

 此の頃、幼い頃からの疑問が頭の中でピークを迎えていた。

『何故生まれてきたんだろう?何の為に生きるのだろう?何故此処に居るんだろう?』

 知りたい、知りたい、知りたい!と、気持ちが爆発的に膨らんでいた。

 私の人生のサイクルが、同じような廻り方で巡って来るのは何故だ?此の身体が思うようにならないのは(事故の後遺症と過労が抜けない事は分かってるが)何故だ?本当にやりたくて堪らない事を、諦めながら過ごすのは何故だ?……幼い頃から抱えてきた疑問が解ければ、其れら全てに答えが出るように思えた。

 或る朝、夢を観た。

 前日に、或る会社の面接を受けていた。生憎不採用だった。靴屋さんだったから、ビッコの私には元々不利だった。だが人事担当の方と心が通じるような話が出来たので、とても気持ちが晴れ晴れして、久し振りによく眠れた。……そして、夢を観た。

 化石のようなおじいさんから幼稚園児みたいな子供に何か重大な役目が受け継がれる儀式を、二十歳くらいの女の子が見ている。突然場面が変わり、其の女の子が幼稚園児を抱えて強面の団体さんから逃げている。そしてまた場面が変わり、今度は子供から女の子に何かの役目が受け継がれる儀式が始まる……。

 目が覚めた時、「ちょっと~ぉ!勘弁してよぉ!」と思った。

 こんな勿体無い夢を、こんなに中途半端にぶった切られるなんて堪らない感覚だった。どうしても続きが見たくて、もう一回寝ようと試みた。……勿論、眠れなかったけど。

 物凄くイライラした。此の勿体無さを、誰かに分かって欲しかった。同時に、何故こんなに勿体無く思うのかを教えて欲しかった。だからM嬢に手紙を書いた。

「こんな勿体無い夢を観ちゃった!」

 M嬢なら、此の勿体無さを分かってくれると思った。
 手紙を受け取ったM嬢は、直ぐに電話で「勿体無いからお話にして!」と勧めてくれた。
 私は先ずワープロを買った。……カタチから入った方が覚悟が出来る気がしたので。そして大まかな流れだけをメモに取り、登場人物の名前も、人数も、特徴も、関係性も、役割も、舞台設定も決めぬまま書き出し……というか、頭から取り出してみた。

『あたし、橋元あづみ。二十一歳、独身。高校中退後、家出同然に故郷を飛び出し……』
 意外な程スラスラと物語が展開していった。頭の前方にあるスクリーンに浮かぶ映像を追いながら、ジェットコースターに乗っているようなスピードを感じた。

 『彼諭流』の誕生だった。

 『彼諭流』の中にある、
「人生は、与えられた生命を其の終わりの時迄大切に運ぶ過酷な作業だ」
 という言葉。
 此の言葉を取り出すと、「人生」と「生きる」と「生命」が、私の中で明確に分離された。

 「人生」は此の生命の始めから終わりまで今生を此の世で過ごす時間。「生きる」は生命を大切に運ぶ過酷な作業。「生命」は其の原動力。

 其れを踏まえると、今度は、

「人生に必要なのは明確な目的だ。其のどれだけを達成しているかで幸せ不幸せが計れるのかもしれない」

 という言葉が出て来た。……どうやら「此の生命の始めから終わりまで今生を此の世で過ごす時間」には「明確な目的」が必要らしい。「生命を其の始めから終わり迄大切に運ぶ過酷な作業」は、「明確な目的」を達成する為にするらしい。其の為に「生命」を使うわけで、「明確な目的」を達成する為に、どう「粋に生命を使っていくのか」を模索する時間が「人生」のようだ。

 では、「明確な目的」とは、どのようにしたら得られるのだろうか?

Cosmos-Michael

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みかえる白書12

 平成七年八月六日、日曜日、晴天。
 約一年間の壮絶な闘病生活の果てに、父が亡くなった。……『白血病』だった。
 大正生まれで、太平洋戦争で家族の殆どを亡くした父は、身体の小さい働き者で、頑固な頑張り屋さんだった。
 普段は風邪ひとつひかぬ程健康だったのに、診察直後に入院し、其のまま面会謝絶にされて血の気が引いた。テレビドラマでしか観た事の無い病気がいきなり茶の間に割り込んで来たのだ。それも、主役のアイドル女優が罹るような病気が。……驚くなと言っても無理がある。
 私は医療関係に従事する友人知人の力を借りて、此の病気について精一杯調べた。治療方法、使われる薬、抗がん剤の効果、骨髄移植……。お陰で担当医からの治療経過の説明は、全て私が聞く係りになった。
 こんな事があって良いわけない。父は真面目に、懸命に生きて来た苦労人だ。病弱な妻と素直な息子と明らかにオカシイ娘を抱え、必至に生きて来たヒトだ。其の父が何故こんな目に遭うのだろう?戦前戦後を潜り抜け、幾多の哀しみや苦しみを乗り越えて、やっと安住の地を得たヒトだ。……其れは家族。父は、家族との幸せを求めたヒトだった。

 後遺症持ちのビッコで親不孝な私と違い、親孝行な兄は若い内に結婚し、三人の孫娘を父に逢わせてあげられた。ひとり家族が増える度、父の幸福感は膨らんでいた。三人の孫娘たちは皆父になつき、父も殊の外可愛がっていた。……絵に描いたように仲の良い祖父と孫達。時にはしゃいで、時にケンカして。見ている私さえ幸せに感じた。孤独で辛かった戦後の時期、父はこんな幸せを夢に描いていたんじゃないだろうか。
 やっと求めた幸せを手に出来たと思っていたら、いきなりの『白血病』。どうにも納得いかず、心底怒りを感じた。
 《天》は、一生懸命生きて来たヒトを顧みてはくれないのだろうか?大それた事じゃない。父は、家族との平和な毎日の繰り返しを望んでいただけなのに!
 父の病気は一般的に知られているモノと違い、白血球も激減するタイプだった。免疫力が落ちた為、家族みんなで面会に行っても病室に入れるのはふたりだけ。母が看病についていたので、面会の度に入れ替わって父に顔を見せた。……寂しかったと思う。今まで八人家族でワイワイやっていたのだから、どんなに元気付けても寂しさは拭えなかったんじゃないだろうか。やがて大学病院に転院し、更に家族から離れなければならなくなった。
 父は精一杯病気と闘った。滅多に飲んだ事の無かった薬も、其れも何種類もの薬を、噎せながら頑張って飲んでいた。毎日の輸血と点滴、何日置きかに骨髄の採取、筋力が落ちないように病棟の中を散歩したり、病院の許可を得て差し入れた我が家の料理を一生懸命食べていた。……父はもっと生きようとしていた。其の努力の甲斐あって、一時帰宅が許された。……最期のお正月。最期の誕生日。そして、最期のお花見まで頑張った。

 再入院した父の体力が落ち始めた頃、よく手を繋いで病塔内を散歩した。ビッコ引きの娘に手を引かれて歩くのも、父には幸せだったのだろう。
「娘に手を引いて貰って……」
 父は少し恥ずかしげに、そしてとても嬉しそうに、看護師さん達に話していた。
 死が間近に迫った頃、頑固で厳格だった父は小さな子供のように可愛かった。生きていてくれるなら、毎日大学病院まで往復八十kmを通い続けるなんてなんでもなかった。父が『此の家族で良かった』と思って旅立てるなら、身体の痛みも疲れも感じなかった。

 父は、眠るように穏かに逝った。
 最期の瞬間には家族誰一人間に合わなかった。余り苦しまずに旅立てたのは、うっすら浮かべた笑顔で分かった。……幸せだったんだね。
 父と最期に話したのは私だった。父の意識がある内に、最期に逢えたのも私だった。親不孝な娘だったのに、其の特権を与えてくれて感謝している。
「ミケちゃん、お散歩に行こう……」
 其れが、最期の言葉だった。

 此れ以降、『AIDS』と同様に、『白血病』は私にとって忌むべき病の代表になった。

 父の死後、其の秋の内に母が倒れた。……狭心症だった。

 母方は元々弱い家系で、祖母も生前心臓を患った。幸い今回は軽い症状だったが、父の生前に心筋梗塞を起こしていた事もあり、養生の為にも暫く入院させた。……一遍に両親を亡くすのは御免だ。

Cosmos-Michael

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みかえる白書11

 平成七年は大変な年だった。

 一月には阪神淡路大震災、三月には地下鉄サリン事件。

 湾岸戦争の時に感じた「人命よりも地球よりも、大きな何かが失われてしまう」感じが、ヒタヒタと忍び寄っている気がした。

 阪神淡路大震災は仕方ない。

 「仕方ない」なんて言ったら被害に遭われた方々に叱られそうだが、天災は避けようがない。孰れ予知システムが整えば被害は少なくなるだろうが、あの場合は避けられなかった。未だ殆どのヒトが床の中に居た早朝に突然襲って来たのだから。

 高速道路は倒れ、ライフラインはぶった切られ、火災に見舞われ、街は壊滅状態。おまけに極寒の季節。救援物資がなかなか届かない処もあったようだ。

 極限の状態に置かれた時、あまり想像したくない事が起きたりするものだが、暴動も無く、近隣のヒト達が力を合わせて復興に邁進する姿は素晴らしかった。其の甲斐あって驚く程の速さで神戸は蘇った。

 其れに比べ、地下鉄サリン事件は醜悪だった。

 前年の松本サリン事件と地下鉄サリン事件の被害者の方とご遺族の方には、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。此の後暫く私の持論が展開されますが、被害者の方やご遺族の方のお苦しみを代弁する内容では御座居ません。ですが、皆様と同等の怒りを持って此の事件について考えておりますので、些かも犯人一同を擁護するものではありません。勿論、犯人達の死刑判決についても、相当であると考えています。


 サリン事件は明らかなる人災だ。醜悪極まりない。自らが超人的な存在だという妄想に支配された駄々っ子(というにはデカ過ぎる)が、(頭脳は)優秀な弟子達が作った駄々っ子の玩具「化学兵器サリン」のお披露目イベント「国家相手のテロごっこ」に、たまたま乗り合わせたヒト達を無差別に巻き込んだ結果なのだから。

 松本サリン事件の事もそうなのだが、命令を下したとされるオウム真理教教祖・麻原彰晃こと松本智津夫は、自身の目論んだ「化学兵器サリンのお披露目イベント・国家相手のテロごっこ」の成功を喜んでいた筈だ。だから堂々と手を挙げて「私がやり(やらせ)ましたぁ!」と言って出れば良かったのだ。其の上で、自身の超人性とか、教義とか、弟子達の教えに対しての帰依とかをぶち立ててくれた方がよっぽど合点がいったのだ。なのにコソコソ隠れてて、見つかった時に「グルである」なんて言ったって、駄々っ子の極悪人に恥の上塗りしただけだ。……其れとも、やらせてしまった途端、妄想から醒めたのだろうか?逮捕からずっと「知らぬ存ぜぬ」の態度なのは、全部弟子達の所為にして助かろうと思っているからだろうか?

 おい、麻原。あんたの教えは何なんだい?そのブクブクした、内面同様に醜い器から離れるのが、そんなに怖い事なのかい?あんたが死刑になったって、あんたの「お遊び」に付き合わされて、生命や其れ以上に大事なものを奪われた方々は戻らない。

「お遊び」が過ぎたら叱られる、叱られたら御免なさい、御免なさいの次は後始末。其の位の躾けも受けなかったのか?そんなんじゃ教祖は務まらないんだよ!

 亡くなった方のご家族は勿論だが、被害に遭われた方々は、生き残ってしまった事で背負わされた精神的な苦痛を、癒えるまで味わい続けなければならない。事件其のもの、犯人一同、味わった運命への怒り、憎しみ、憤り……。怒りや憎しみが、どれ位身体に負担を掛けるかは、普段の生活でも味わう機会があるだろう。ほんの短い期間囚われただけでも随分消耗が激しい感情だ。犯人逮捕から裁判の行方を追うだけでも大変なのに、自らの体調不良にも合わせて湧く感情だから、本当にお気の毒だと思う。


 被害者の中には、パニック症候群に苦しんでおられる方も多いと聞いた。

 私自身、追突事故に遭って以来パニック症候群に苦しんでいるから、其の大変さは身に染みている。動悸、呼吸困難、喘息発作、身体の震え、冷や汗……。なかなか理解しては貰えない。

 私の周りにも同情して下さる方は居るが、理解者は居ない。

 事件後も大都市に住み続けているであろう被害者の方々は、「地下鉄」という大都市の必須アイテムを使用したくても出来ない事に苦しまなければならない。

 被害者の皆様、どうか負けないで下さい。事件其のものへの感情は分かりませんが、パニック症候群は理解しています。私も少しずつ闘ってます。だから、どうか負けないで下さい。

 あんな醜い駄々っ子に運命の軸を動かされたままで終っちゃうのは悔しいじゃない。

 本来の人生を歩んで幸せに成り、満足して今生を終りましょう。其れがあの妄想狂への一番の復讐になると思います。


 どんな言い訳をしてもテロは赦されない。戦争と同じ位無意味で卑怯な行為だ。

Cosmos-Michael

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